ひとり連句 即席の巫女(半歌仙)
〈表〉
即席の巫女舞う秋や鈴の音
田に点々と月待つ案山子
映画ロケ寅さん紅葉踏み分けて
ともあれ乗ってみる観光バス
苺食みひとりが楽と寡婦笑う
ハンモックには読みかけのゾラ
〈裏〉
体重計今日は乗らずにおいてやる
口紅は濃くスカートピチピチ
カストロとサルサ踊って朝帰り
湿布で隠す胸のキス跡
洗濯物溜まり過ぎてる日曜日
亭主のはまるぼっちキャンプ
月青しブタマン食って眠るだけ
三寒四温のホステス稼業
ドヤ顔で霊媒師告ぐ我が運命
いまだ健在不惑の笑窪
夫婦して善哉目当ての花見する
道頓堀の春は闌