本を読んでいて思ったこと
つい先ほど、心療内科の受診を終えた。
今日で9回目。
気持ちの波があって、「もう病院行かなくていいんじゃないか」と思えるほど落ち着いている期間もあれば、その翌日には「消えたい」と思っていたりする。強い薬は飲みたくないと希望して漢方薬を服用しているが、今日は抗うつ薬を勧められた。やっぱりまだ少し怖いので、漢方薬の種類を変えて様子を見ることになった。
いつまで続くのだろう。なかなかの出費になる。
先生がサバサバした女性でとても話しやすいのが救い。
今、平野啓一郎さんの「私とは何か」という本を読んでいる。
人は「(それ以上分けられない)個人」ではなく、「(色んな人との対人関係において形成される、人によって分けることができる)分人の集合体」であると主張する本。(まだ半分くらいしか読めていないし、私の足りない文章力では的確に伝えられないので、気になる人は自分で検索してみてほしい)
昨日読んだところで少し辛くなってしまった文章があった。
「閉鎖的な環境が苦しい理由」という項目にて。
母のことが思い浮かんだ。
死ぬまで病院で過ごす。
日常生活で接するのは看護師のみで、看護師に対する分人しか生きられない。(母の世話をしてくださっている看護師さんに感謝していることは大前提として)
1〜2週間に1度、家族が面会に行ってはいるものの、病院内でのリモート面会で、目がほとんど見えていない母にとって「家族と接している」という実感がどれほどあるのかわからない。直接会って手でも握れたら良いのに。
面会に行ったときはちゃんと名前を呼んでくれる。
患者としてではない、子に接する親としての分人でいてくれていると信じている。
でも、面会も頻繁に行けるわけではない。
この閉鎖された環境で母が精神のバランスを保つのは非常に難しいと思う。
母のこの状況を一番受け入れられていないのは自分かもしれない。
辛いことを考えてしまったが、この本自体は、なるほどと思う内容が多く、多くの気づきがあり面白い。
私は昔から対人関係の悩みが絶えないが、この「分人」という考え方ができれば、少し楽になれる気がする。そんなことを考えながら読み進める。