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人生の達人に学ぶ
「102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方」
石井 哲代・中国新聞社著 文藝春秋
“広島県尾道市の山間のまち”でくらしているという石井 哲代さんは、20年前から一人暮らしをされているという。
「老いるとできないことは増えるし、心がふさぐ日もあります。でもね、嘆いてもしょうがない。私は自分を励ます名人になって、心をご機嫌にしておくんです。人を変えることはできませんが、自分のことは操作できますけえな。」
20歳で小学校教員になり、26歳で「子どもにも親にも慕われる豪快な」良英さん(同じく小学校の先生)と結婚。義父母と同居して仕事も農業もしてきたという。子どもさんはいない。義父母を見送り、夫の良英さんが亡くなってからは、「親戚や近所の人に支えられながら」ずっと一人暮らしをされているそうだ。
シニアカーに乗って畑まで行く。柔軟体操をする。
「仲よしクラブ」で大正琴の練習をする。「でもね、練習なんてそっちのけの日も多いんでございます。ストーブを囲んでおしゃべりして、笑うて。これが楽しみなんです。」
入退院して姪御さんたちのお世話になることがあっても「みんなが支えてくれる」と感謝して再び一人暮らしを再開する。
「いつも身近なところに辞書を置いておき、新聞や本を読んでいて、分からない言葉が出てきたらすぐに調べる。分からないままにするのが気持ちが悪い」ってすごい!!
畑で作った野菜で毎日「いりこ入りの味噌汁」などをつくり、「いりことジャガイモのきんぴら」や「レンコン、ニンジン、シイタケ入りのばら寿司」をつくったり、栄養にもよさそうな日々を送っていらっしゃるようだ。
年齢を言い訳にせず、“弱気の虫”(子どもがいない心細さ、一人で食べる夕食の寂しさ・・・)が暴れないように一生懸命心も体も動かす哲代さん。
今までどれだけ辛い思いを乗り越えてこられたんだろう・・・と考える。
それを、満面の笑顔で乗り越えてしまう姿に感動する。