思いの灯を受け継いでいく
子供の頃、好きだったアニメに
銀河鉄道999というものがあります。
主人公の少年が、永遠の命を得られる機械の身体を求めて、銀河鉄道に乗って旅をする物語ですが、この少年は最後に自分の間違いに気づきます。永遠の命とは老いない機械の身体のことではない、と。自分の身体には親からもらった血が流れている。それはいつか、自分の子供に受け継がれていくだろう。そうやって受け継がれていくものこそが、永遠の命ではないかと。
ずいぶん古いアニメですが、ふとこのことを思い出したのは、私たちの受け継ぐ「伝統」にも、似たようなところがあると思ったからです。
誰かの想いが、次の人に受け継がれていく。
身につけた技術が、次の世代に受け継がれていく。
数百年の伝統という大きな流れで見ていても気づきませんが、
いまこの瞬間にも伝統は繋がり、
人から人へ、思いや技術が受け継がれています。
そうした小さなことの積み重ねが、長い伝統となっていくのだと思います。
ろうそくは、やがて燃え尽きますが、
灯を次のろうそくに移していけば、その火は永遠に燃え続けます。
数百年にわたって、技術を受け継いできた職人たち、
箔一を生み出した創業者、
それらを支えてきた先輩たち、
そうした人たちの想いを受け継いでいくことを、大事にしたいと思っています。