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ポップでダイナミックな、前田青邨(せいそん)の『竹取物語』がナイスです!

あまり明治以降の絵画に興味は無いと言いつつ、東京国立博物館東博=トーハクへ通ううちに、いくつかのお気に入りができました。

いま展示されている、前田青邨せいそんの掛け軸『竹取物語』も、その一つに加わりました。<2022年9月4日現在>

■漫画家が最近描いたみたい

前田青邨せいそん『竹取物語』

縦長の掛け軸の下半分のスペースに描かれています。残りの上の方には何も描かれていなかったと思います。全体像は、トーハクのデジタルライブラリーにでも載っているでしょ? と思ったら、ありませんでした。

解説パネルにも、作品名と筆者名と、書かれた時期が記されているだけ……。明治以降の絵画は、そんな扱いなんですかね。ちなみに明治44年1911に描かれたそうです。地は絹。

かぐや姫を迎えにきた宇宙人(?)を迎え撃とうとしたものの、強風に吹き飛ばされる人たち……という感じでしょうか。未知のものを見て驚き畏れる人たちの、まさにその一瞬を切り取ったかのような、躍動的な構成ですよね。

「ある漫画家が最近、描いたんですよぉ」と言われたら、「へぇ〜、そうなんだぁ」って思っちゃいそうなくらい、色遣いが今っぽい感じがします。昔の絵巻などを見ていると、同様の色遣いをしているので、もともとの日本人は、こういうパキッとした色遣いが得意なのでしょう。(なぜか、明治以降の日本の絵画は、どよんと暗い感じの絵が多い印象ですが……)

Flickrに全体像があったので、貼り付けておきます。思っていたよりも、余白が少なかったです。

Photo by yuki_alm_misa(Flickrより

前田青邨せいそんは、竹取物語をこの作品以外にも、屏風や絵巻に描いたりしているようです。どんなものを描いたのかは、今後調べてみたいと思います。

■東大寺二月堂の「お水取り」を取材した『お水取り』

前田青邨せいそんを紹介したついでに、<2022年1月>に展示されていた『お水取り』も入れておきます。青邨せいそんが74歳頃の昭和34年1959に描かれた、色紙くらいの大きさの16品の小品集。平木浮世絵財団の寄贈です。

解説パネルには、東大寺二月堂の修二会しゅにえを取材して描いたものとあります。修二会とは、奈良時代から続けられた行事で、同期間の「3月12日深夜に、若狭井という井戸から、十一面観音菩薩に備える若狭鶏の瀬から送られたお香水を汲み上げる儀式『お水取り』が行われる」と記されています。

光風霽月帖こうふうせいげつじょうと近代絵画の旗手たち

<2021年11月>に、東京国立博物館東博=トーハクの近代絵画の部屋へ行った時の、光風霽月帖こうふうせいげつじょうに目が留まりました。

明治から昭和初期にかけて活躍した、和田英作・冨田溪山・菊池契月・川合玉堂・鏑木清方・横山大観・安田靫彦・前田青邨せいそん・小林古径・橋本関雪など、いずれも近代絵画の巨匠と言われる方々の小品集です。

これを見てから、苦手というか興味を抱けなかった近代絵画に、少しずつ関心を抱けるようになった気がします。

5枚目の鯉の墨絵が前田青邨せいそんです。

光風霽月帖こうふうせいげつじょう』のうち前田青邨せいそんの『遊魚』

そのほか、画像がどんどん失くなっていくので、こちらに整理させていただきます。同じく<2021年11月頃>に展示されていた、『大同石仏』です。

『大同石仏』
『大同石仏』(部分)
『大同石仏』(部分)。薄っすらと、いくつもの石仏が描かれています

あと……『燕山乃巻えんざんのまき』という作品……。全体像は撮らなかったのか紛失してしまったのか……端っこにちょこちょこっと描かれたラクダだけ残っていました。

燕山乃巻えんざんのまき』(部分)



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