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円山応挙が描いた“じゃれあう子犬と朝顔”
<2022年8月18日>
東京国立博物館の本館2階の左奥は、国宝ではないけれど、優れた日本画が展示されている室です。現在は、円山応挙の『朝顔狗子図杉戸』のほか、与謝蕪村『山野行楽図屏風』、池大雅『西湖春景 銭塘観潮図屏風』という、18世紀後半の京都を代表する画家たちの名品が並んでいます。
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そのなかでも円山応挙の『朝顔狗子図杉戸』は、最も人気で、鑑賞する人が絶えませんでした。円山応挙を知らなくとも、展示室に入り、この愛くるしい子犬たちの表情を見た途端に足をとめて、じっくりと見入る方が多かったです。
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あざやかな群青と緑の配色が発する清涼感、じゃれ遊ぶ子犬たちの愛くるしさ。当館庭園内、応挙館の廊下を仕切る杉戸絵。応挙館は、もと愛知県・明眼院(みょうげんいん)の書院で、三井財閥総帥益田孝を経て当館へ寄贈された。画家の優しいまなざしを感じていただきたい。
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These doors feature adorable puppies which evoke a refreshing atmosphere with vivid blues and greens. They are from the corridor of the Okyokan teahouse in the museum's garden, Myogen-in temple in Aichi prefecture.The structure was obtained by the head of Mitsui, and was later donated to the museum.
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今回の『朝顔狗子図杉戸』を、より詳しく知りたい方は、1089ブログを読むことをおすすめします。学芸員なのか研究員の方が、作品愛たっぷりに…それでいて分かりやすく説明してくれています。
解説パネルにも「当館庭園内、応挙館の廊下を仕切る杉戸絵。」とあるように、元々『朝顔狗子図杉戸』は、東京国立博物館の庭園脇に建っている「応挙館」という建物内に描かれていたそうです。
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ちなみに応挙館は、名古屋近くの明眼院の書院として建てられました。前述の1089ブログによれば「内部の障壁画は、天明4年(1784)に数え52歳の円山応挙によって描かれました」。そのうちの廊下を仕切る引き戸、杉戸のひとつとして描かれたのが『朝顔狗子図杉戸』だったわけです。
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その後、明眼院は、三井財閥総帥の益田孝が買い取り、品川の御殿山の屋敷に移築。そして昭和8年に東京国立博物館へ寄贈され、今に至るそうです。
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