平穏な日常
朝起きて、
歯を磨き、
顔を洗う。
朝ごはんを食べたら、
カバンを持って、
靴を履いて、
玄関を出る。
通勤電車に揺られ、
電車を乗り換え、
いつも通り、
出勤する。
この当たり前の日常は、
当たり前ではなかった。
平穏な日常は、
当たり前ではなかった。
この世界の平穏は、
当たり前ではなかった。
どこからか、
僕の見たくないものが、
僕の目の前に現れないかと、
怯えている。
それは、なすすべもなく、
僕の家に土足で入りこみ、
そして、すべてを
奪い去る。
*
今、平穏な日常を、
1日、1日を、
かみしめる。
有り難く、
そこに有るものとして。
そこに有るものの、
責任として。