詩 風の強い日に
(序)
風が強くて寒い日に
寒い心を持て余して
狭い部屋に閉じ籠る
起き上がることも
出来ない僕を
慰めてくれるものがある
じっと耳をすませば
それは聞こえてくる
*
(其の一)
風の音が聞こえてる
轟轟と唸る風
風に揺れる木の葉の音は
風の強さを教えてくれる
風の合間にある静寂
静寂の中に聞く生活の音
それは冷たいようで
やさしいようで
強いようで
弱いようで
さっきまで泣いていた子は
激しい風の音に泣き止んだ
きっと
風の声が彼を慰めたんだ
*
(其の二)
風の音が聞こえてる
轟轟と唸る風
風に揺れる木の葉の音は
風の強さを教えてくれる
風の合間にある静けさと
静けさの中に聞こえる
生活の音
いつにも増して際立つ音は
淋しさに負けそうな僕に
誰かがここにいるって
教えてる
たったそれだけのことなのに
こんなに落ち着くのはなぜだろう
そうだ
僕もここにいる
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