詩 抜け殻となった僕は
そうだ、
僕は叫びたいのだ
自分の中に
溜め込んでいる
すべての澱を
吐き出すように
腹の底から叫ぶんだ
その叫びは
僕の全てを声にのせ
僕がからっぽになる
くらいに叫び
叫んだ後に残るのは
真っ白の
抜け殻の様な僕
頭も、カラダも、
服の色さえも、
透明に透きとおり
僕の存在すらも、
希薄になって
もはやそれは
僕であって僕でない
それでは僕は
どこに行ったのか
あなたの周りを
漂う空気が僕であり
あなたが息を
吸いこめば
僕はあなたと
ひとつになる
あなたの体を
駆け巡り
僕はあなたの
こころに住まう
抜け殻となった僕は
やがてころりと
地面に落ちて
誰かが僕を
蹴飛ばすだろう
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