俳句 秋の終わりに
俳句
川映る 流れる雲や ゆらぐ今
女郎蜘蛛 巣の真ん中で 冬を待つ
木守柿 行き先告げず 残す蔕
仰ぐ葉や 柳そよげば 緑ふる
詩 路地裏の風景
路地を一人歩いてる
塀の向こうはトタンの工場
休日で誰もいない
道の真ん中にうずくまる猫
ニャーニャーとないている
向かいの家の前を通る
孫が手を引くおじいさん
庭先に連れていかれる
空は雲に覆われてても
雨はまだ降りそうにない
白い小さな犬を連れた
白髪の婦人を追い越す
曲がり角を曲がると
出口の見えない塀が続いて
僕をここに閉じこめる
塀のこちら側とあちら側
貼り付けてある住所標識
僕は今どこにいるのか
道に落ちたドングリを辿れば
ここを出られるだろう
その先には川岸があって
鴨の親子が水浴びをしていた