詩3 リー 1.梅雨の晴れ間
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「私とリー」は、4章構成、全25詩からなり
ます。本詩は第3章の第1詩にあたります。
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朝から雨が、しとしと降っている。
ときにはザーッと激しくなることもある。
そんなとき、少し、不安になる。
雨は僕を、不安にさせる。
雨が降らなければ困るけど、
降りすぎても困る。
もう、長いこと雨が降り続いている。
ときどき、雨は止む。
雲の隙間から、光が差し込む。
そして、少しだけ見える青空。
雨が止むと、人が外に出始める。
散歩する人。買い物に行く人。
友達と遊ぶ子供たち。とても嬉しそうだ。
僕も外に出てみた。
ずっと雨ばかりだったから
気分もすっかりジメジメしていたけれど
晴れ間を見ながら外を散歩するのは
気分がいい。
外を歩いていると
同じように散歩する人を見かける。
みんな同じなのだと思う。
梅雨の晴れ間は
人の気持ちを晴れやかにしてくれる。
夏のカンカン照りの空とは違って
やさしさを感じる。
でも、空を見ると、
まだ黒い雲が渦巻いている。
梅雨の晴れ間はとても遠慮がちだ。
すぐに引っ込んで、黒い雲が威張りだす。
ぽつ、ぽつ、雨粒が顔に当たる。
急ぎ足で、帰り出す子供たち。
僕も足を速めて、
どこか雨宿りできる場所を探す。
ザーッ、とうとう雨が降り出した。
僕は雨に濡れない場所を探す。
その間、
服や髪の毛がすっかり濡れてしまって、
少し肌寒くなってきた。
また、しばらく雨は止まないのだろう。
降り続く雨を眺めながら、
見つけた屋根の下で、
雨が止むのを待っている。
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