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Photo by
koro333
詩 夏の日
梅雨の間に
すっかり遠のいた
散歩道
梅雨の晴れ間に
訪ねてみた
先に訪ねたときは
ナヨクサフジが
あふれてたのに
今、目のまえは
ムラサキツメクサが
あふれている
*
山門前にあるベンチから
少し離れたお寺を覗くと
鉢植えの大きな蓮の
葉っぱたちが
山門の開いた口に
葉を向けて
切り取られた写真
のように映えていた
寺の庭履くホウキの音
虫の声の重なりに
時折響く鳥の声
それらが耳に心地よい
ベンチを振りかえると
川を挟んだその先に
森が広がり青葉が繁る
時折吹く風に森が揺れ
青葉が一枝揺れている
*
僕はジットリ汗をかき
太陽の熱に焼かれて
動けない
鬱鬱とした僕の影を
太陽でスッカリ
焼いてしまいたくて
甲羅干しの亀のように
干されていた
明日はきっと焼いた煤が
夏の風に吹き飛ばされて
梅雨の雨が流してくれる