ボタン式の電車
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俳句を作りました。🔰
詩を解説的に添えています。
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俳句
電車の児 ボタン押したく 昼寝覚
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詩
電車に乗って
空いてる席に座ると、
向かいの席で
靴を脱ぎ、
お座りをして、
窓の外を子供が見てた。
でも、
よく見ると、
背もたれの上に頭を載せて
昼寝をしてる。
パパが気づいて、
起こそうとしても
起きなくて、
前向きに座り直した子は、
糸の緩んだ人形のように、
クタッとして動かない。
子供の体を揺すっても、
頭がぐらぐら、
前に後ろに揺れるだけ。
降りる駅まで眠ってた。
駅に着き、
仕方なくパパが抱っこして、
電車を降りようとすると、
急に目を覚まして、
目を輝かす。
この電車はボタン式。
ドアを乗客がボタンで
開け閉めする。
どうやらボタンを
押したいらしい。
降りる時に
手を伸ばして押していた。
降りた背中は満足そうだ。
僕の心が温まるボタンも
押してくれた。