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詩 蝉

腹を向けた蝉が
地面におちていた

その蝉をつかんで
近くの木にとまらせても

またすぐにおちてしまう
この蝉は役割を終えたのだ

羽を動かしジジジと鳴いて
脚をわずかに動かして

それでもおちる少し前まで
鳴き声を響かせてた

まだまだ飛びたそうに
もがいてた

まだまだ恋がしたくて
もがいてた

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