エッセイ 窓から見えるしあわせ
今日は晴れてあたたかい。
窓を開けて、外の空気にふれる。
心地の良い風が、部屋の中を通る。
季節は初夏を迎えた。
窓を開けたままにして、
机で物思いに耽っていると、
目の隅に、緑のキレイな鳥が2羽、
空を羽ばたいているのを見る。
窓にいき、よく見ると、
セキセイインコのツガイらしい。
仲よく2羽で空を飛び、
2本の木のてっぺんに、
それぞれ止まって休んでる。
キレイな緑色、尾が長く、きれいに
靡いていた。
きっと人に飼われていたのが、
野生化したのだろう。
尾の長さが、時間の経過を
語っていた。
あんなに尾の長いセキセイインコは、
初めて見た。
2羽で自由に空を羽ばたく姿は、
本来の自分たちの姿に帰れて、
よろこんでいるようだ。
そういえば、
セキセイインコが迷子になったと、
電柱に貼ってあったのを思い出す。
でも、
あの2羽からは、迷子という心細さは
感じなかった。
あれこれ考えてたら、
いつの間にか何処かに飛び去っていた。
今は、
2羽のしあわせを祈りたい。