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詩 冷たい雨夜

冷たい雨が降る
手の関節が凍りつき
胸の鼓動が早まる
冷たい雨が降る
小動物のような鼓動
身体が重くなる
傘で雨から逃がれ
鞄の重みに肩が軋む

吐いた息と吸った息
呼吸が和らげるかと
何度も繰り返す
暖かな日差しの溢れる
どこかにいきたい

胸を抑えながら
洗面所の壁に頭を預け
通り過ぎるのを待つ
洗面台の鏡を見れば
煤けた顔が映る

冷え切った僕の身体が震える
僕はスマホを開く
誰かの詩で温まる

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