少女が泣くと世界は笑うのでした
『泣く幸福』
ある小さな村に、笑ったことのない少女がいました。
この少女が生まれる前、村は大変な貧困に苦しんでいました。
村からお年寄りのほとんどが居なくなったとき、少女は大きな産声をあげました。
すると干上がった村に雨が降り、米や野菜、木の実が育ち、この村は貧困から抜け出したのです。
これを奇跡だと謳ったのは、数少ない老人たちでした。
それからこの少女が泣く度に、不思議と村に幸福が訪れました。
老人たちは相談し、とある約束事を決めました。
それは、少女を笑わせてはいけ