No.0046 古典から引っ張ってきた人材登用の指針

※約1740文字の内容の記事です。

 少しずつ陽気さが出てきたのか、結構温かい気がします。今日はたまには読書感想文みたいなのも書いてみようかと。ちょっとお堅い話かもしれませんが…w

1.引用する古典を簡単に説明

 昔からビジネス関係および政(まつりごと)関係は有能な人材をいかに引き込むかが重要な要素に。特に大陸側はそうしないと自国が滅んだりすることがざらにあるので死活問題ともなっています(人材不足で国が滅んだ代表例としては三国時代の蜀になりますね)


 秦が初めて大陸を制覇して統一国家を築くまでは色んな思想・宗教が存在していました。この思想の学派・派閥を「諸子百家」と呼ばれています。

 また、当時は今以上に戦が起こっていましたので、戦に勝利するための兵法書とかも多岐にわたって存在していたようです。その中でも孫子などの代表的な書物はまとめて「武経七書」と呼ばれています。

 さらに時代が飛びますが、唐代には太宗の時代に「貞観の治」と呼ばれる非常に安定した時代があり、この時代の政治をまとめた「貞観政要」という書物があります…まだ手元にはありませんが、いずれ読みたい書物ですねぇ。


2.古典から引用してみる

 現代では人手不足・人材不足と言われて久しいですが、ではどうすれば優秀な人材がやって来てくれるのか、今自分の手元にある古典から引用していきますね。


論語(だいたい2500年前)

 まずは自分の身の回りにいる優秀な者を抜擢すること。そこから有能な人材を集めている等の評判や噂が起きて自分の知らなかった有能な人材が次々にやってくるだろう。


墨子(だいたい2500年前)

 能力に秀でた者を集めるには富貴(富も地位もあること。金持ちで身分が高いこと)にして尊敬を払い、名誉を与えること。
 君主が臣下を起用することと、臣下が君主に仕える方法は、正義を標準とすることである。昔の聖王は徳の高低によって位につけ、官職の内容従って仕事を行わせ、勤労の程度によって賞与を定め、功績を調べて俸禄を与えた。優秀な者を尊重することは、政治の基本である。


六韜(だいたい2250年前)

 仁・義・忠・信・勇・謀の6つを身につけた人物を起用する。つまり、思いやりがあり、分け隔て無く人と接し、誠実であり、嘘をつかず、勇気があって、策をめぐらせる能力のある人物がそれである。
 職務を分担し、それぞれの職務にふさわしい人材を登用して、与えられた職責を果たしているかどうかを調査し、相手の能力をよく勘案して、その職責に見合う実績をあげるように仕向けること。


三略(だいたい1900年前)

 すぐれた人材は高い地位と給料を保証してやればひとりでに集まってくるし、礼を尽くして遇し道義をもって励ましてやれば命を投げ出しても働いてくれる。


 ちなみに「貞観政要」では「徳行と学識のある人物」「優秀な人材であれば仇敵であろうと構わない」「短所より長所が大きいのなら多少は目をつぶる」などを挙げられているようです。


3.まとめ

1.身近にいて能力のある人物を探すこと

2.金銭や地位を一定以上保証してあげること

3.登用する人物に徳・学識があること

4.仕事の評価の標準を決めること

5.登用する人物に適切な仕事・職責を与えること

 …おそらく全ての条件が一致するのは昔も今も困難だったのでしょうね、おそらく大陸側も自分が知っている限りでこれが出来ていたのは後漢の光武帝と三国時代の諸葛亮、陸抗ぐらいなのではと(もっと人物を探していけばいるかも知れません)


 労働者と経営者の条件がごちゃ混ぜになっていますが、労働者の観点から見るとこう考えられるでしょう。

 少なくとも3番は常に意識しなければいけないということになるでしょう。論語の影響が他の古典に繋がっていそうですね。2番・5番は自分達がいい会社かそうでない会社かを判断する要因として活かされそうです。1番は発想を変えると自分が優秀であることをアピールする事にも仕えそうですね(隗より始めよみたい)


 何もせずに対価を得たいというのはどだい都合のいい話。最初はやはり地道に己を磨くことがいい人材を集めてくる最初の第一歩となりそうです。(2番の条件はもっと引き上げてくれてもいいのよ社会さん…)


≪参考図書の皆様≫