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その魅力のわからなさが魅力な人
「マッシブ・タレント」を観ました。
ニコラス・ケイジのどこに魅力があるのかわからないまま、何故か彼の映画はたくさん観てきたんです私、何故か。
「60セカンズ」の仲間たちが集結し「ロー・ライダー」をラジカセから聴いて気分を盛り上げるシーンが大好きです。メンバーたちとニコラスの気分が高揚するさまがクセになり何度も巻き戻しては観たものです。
けれどもそれは映画の中の演出。
彼の魅力ではないような気がします。
今でもわからないニコラス・ケイジの魅力。
わかりやすいイケメンの俳優さんでもないし、ヒーロー感も無い。なんならいつも困っている額の広いおじさんにしか見えない。
でも映画に出てると観てしまう。
たとえ映画そのものがB級な仕上がりであろうとも、彼は観客をそつなく映画の終わりまで連れて行ってくれる吸引力があります。
一時期、ニコラス・ケイジだから大丈夫!という、観たい映画を選ぶ際の指標にまでして、彼の主演映画を観まくったこともあります。(あらかた忘れてしまいましたが…)
ビストロSMAPに出演した彼もしっかり覚えています。
口に食べ物を運ぶ際、必ず口元を隠してカメラに写らないようにして食べる姿があまりに奇妙で不思議すぎて、彼の魅力にまたひとつ別の輝きが足されたのでした。
(「ビストロSMAP ニコラス・ケイジ」で検索すると不思議な画像が沢山出てきて笑いました。)
さてこの「マッシブ・タレント」
私はそんな彼の魅力がわからないが故に虜にさせられた観客の1人なので、観る前からエグいくらいにニコラス・ケイジ臭さを期待してしまいました。
ニコラス・ケイジ自身のプライベートをそのまま踏襲したキャラクター設定なのに、あまりニコラス・ケイジ臭さが感じられない序盤、若干の肩透かし感を覚えたのですが、話が進むにつれ、映画の原題「巨大な才能の耐え難い重さ」その言葉通り、ニコラス・ケイジ自身の映画に関わる哀愁たっぷりの覚悟のような心持ちをひしひしと感じさせてくれるのでした。
コメディ映画ならではのちょっとご都合主義的な部分も、映画の構造が中盤で予感できてしまったのも、ニコラス愛があれば大丈夫!
HBO制作の「THE LAST OF US」でしかめっ面ばかり見せていたペドロ・パスカルの陽気な一面も見れて、また好きな俳優さんが増えたのも収穫でした。
「パディントン2」を観なくちゃ…