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今ボーイズグループ界隈がアツい~大人にこそオススメしたい推し活
はじめまして。箱推しちゃんです。ドルオタです。この界隈が最近、結構面白いのでオススメしてみようと思って書いてみました。
なぜオタ活するに至ったか
元々サブカルクソ野郎で、映画大好きだしライブ行くの好きだしマンガも小説も読むよ、というタイプの人間でした。
でも映画も年間50本くらいしか映画館で観ないし(100本以上見てオタクと言われる界隈)、ライブは行くけどファンクラブは入ってないしグッズも買わないし(そもそも洋楽アーティストにファンクラブという概念はない)、マンガも小説もそんなに冊数は読まない。Apple Musicのライブラリを人に見せると「ミーハーだね」と鼻で笑われる、そんなタイプの人間でした。
つまりフツー。超フツー。
その私が今、毎日SNSをチェックしてオタ仲間と一緒に推しの活動に一喜一憂するに至ったのはなぜなのか。
ヒマだったからです。
コロナであれよあれよという間に国境が事実上封鎖され、海外旅行に行くこともできない。ハワイのビーチもソウルのカフェも数年お預けが決まり、海外アーティストは来日しようがなく、国内アーティストもどんどんライブが延期や中止になっていく。近所のデパートやショッピングセンターも閉まってコンビニやスーパーで買えないものはECで買うしかない。(そしてそれも物流が詰まってて時間がかかる)日がな一日、小さな家にとじこもって仕事だけをする。
あ、これ気が狂うな、と思いました。
人は自分の心に栄養を与え続けないと簡単にダメになります。
そこで最初は家でパンを焼いたりNETFLIXで映画やドラマを一気見したり、リウーを待ちながらを読んでリアルさに震えたりもして過ごしていたのですが、そのうちなんだか物足りなくなりました。
そのころよく見ていたのが、こちらの動画でした。
コロナ前に開催されていたボーイズグループのオーディション番組、Produce 101 Japanのハイライト映像です。
番組自体はGYAOでやってたんですが、その時は絶対見ないって決めて見てなかったんですよね。それがYoutubeで適当に動画を漁るうちにたまたまオススメに出てきて見てしまい、世の中にはこんなにハートが強い人がいるのかと驚いたんです。
高校時代からアーティストを目指して芸能事務所が運営するダンススクールに通い、バックダンサーとしてツアー帯同できるようになるもある日突然契約を切られて。電車の中で泣いて泣いて、それでもあきらめずに新たなオーディションに参加して。うまく行かないこともたくさんあるし希望の曲につけないこともある。そんな中でも仲間の背中を押して励まして、自分ひとりになった時に泣いて。また前を向いて歩きだしてついにはオーディションに合格して…。
週刊少年ジャンプの主人公かお前。
夢をあきらめずに前を向いて進み続けるエネルギーにあてられて、気がついたら応援するようになっていました。
ただしばらくはファンクラブに入ることもなく、グッズを買うこともなく、配信される音楽を聴き、Youtubeの動画を見る、まだまだマイルドなファンの一人でした。当時は。
そこで色々追っていくうちに、実は日本の音楽業界やアイドル業界自体、今大きな転換期にあるんだなということに気が付きました。
大手数社による寡占状態による市場の行き詰まり
いやこれ別にデータがあるわけじゃないんで完全に私の個人的な感覚なんですけどね。
私個人としては、実はこの10年以上音楽番組をまともに見てませんでした。
だっていつどのチャンネルの番組見ても大体おんなじアーティストしか出てなくないですか?いや、おんなじアーティストは言い過ぎかもしれない。でも、ミーハーの私からすると大別するとこんな感じ。
王子
制服女子
マッチョ
90年代から00年代の懐メロ
(解像度が低いのは認める)
…動物占いだって60種類あるのに4種類しか出てこなかったら厳しくないか。
それらが好きな人たちは満足だと思うんですけど、ジャンルの幅が狭すぎて、私はそれらにハマらないタイプだったので洋楽やKpopを漁るようになり、日本の音楽番組や日本のアーティストからは遠ざかるようになりました。
が、Jpop市場から流れていたのは私だけじゃなかったんですね。同世代から若い人まで、多くの人が流れていったのがKpop市場でした。
(ほかにもUltraあたりのクラブミュージックとかボカロ界隈あたりとかにも流れていった人は多かったと思うけどボーイズグループ市場の話をしたいのがメインなのでこの辺は別のオタクに任せます)
伸び続けるKpop市場と停滞するJpop市場
Kpop市場は3大事務所と言われる事務所はありつつも、それ以外の中小事務所から人気グループが出てきて一気に市場の勢力図が変化することもある、鮮度の高い市場です。
アイドルグループに偏重していて、ソロアーティストが中々人気が出ないという傾向はありますが、グループの個性も多様ですし、育てる系グループから実力派グループ、かわいらしい系からアート系まで結構幅広く存在しています。
なので、一旦Kpop市場をのぞけば大体自分の好みのグループが2,3は見つかるし、新しいグループもどんどん出てくるので飽きない、というオタクにとって居心地のいい市場だったりもします。
また、韓国は日本の1/2以下の人口の国なので早くからグローバル展開に力を入れており、北欧や南米にまでKpopファンがいるくらい、ファンの総数の多い市場でもあります。
同時にコロナ以前からデジタルの活用にも力を入れていて、音楽番組は地上波放映後1曲づつ分けてYoutubeにUPしたりしてアーティストや番組の認知を広げたり、コロナ以降は積極的にオンラインライブを開催したりして順調に売上を拡大しました。
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一方でJpop市場はというとオンラインに対する警戒心が強く、YoutubeにMVフル尺を載せるアーティストもまだまだ多くないですし、来場型ライブからの脱却もできず、業界大手のエイベックスが自社ビル売却やライブ制作部門のリストラを行うなど、苦境に立たされています。
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これまでは大手事務所の寡占が続いて、それが好きな人たちだけで日本市場を支えていくのかもなくらいに思ってましたが、このまま衰退してKpopに全部持っていかれる日も近いのかもな、とも思っていました。
KPOP市場からJpop市場への還流
そんな中で行われたのが上述のオーディション番組、Produce 101 Japanです。これは韓国のCJグループという超大企業(もとは加工食品の会社だったはずが気づけば物流、建設から映画館やケーブルテレビ、映画や音楽レーベルまで持つにいたる三菱もびっくりの一大ホールディングス)のエンタメ部門のCJ ENMと吉本、TBSが制作して実施したオーディションです。
これ、各社にそれぞれ思惑があって、
CJ ENMはグローバル戦略の成功をもとに、各国のローカルに入り込んで市場を押さえに行きたい
吉本はお笑い一辺倒から事業の幅を広げたい(多分)
TBSは視聴率が取れる優良コンテンツが欲しい(多分)
という感じなんだと思うんですよね。それが結果的にKpop市場からJpop市場への橋を架ける役割を果たすことになったんだと思います。
というのが、ユーザやアーティストサイドにもニーズはあって、
現在のJpopにもハマれないけど、外国語のハードルがあってKpopにもハマりきれないユーザの行き先がない
国内では王子かマッチョしかデビューできる先がなかったので韓国に渡って練習生をしていたものの、グローバルでの熾烈な競争になり日本人デビューできる枠がそもそも圧倒的に少ない
その結果、ユーザとアーティスト双方も市場に帰ってくることになり、王子とマッチョが席巻していた日本のボーイズグループ市場に風穴があいた(あるいはこれからあく)んだと思います。
そしてボーイズグループのデビューラッシュへ
そんなわけでProduce 101シリーズからは2020年のJO1を皮切りに、シーズン2合格者で結成されたINIもこれからデビューする予定です。
また、昨年はジャニーズからSixTONESとSnow Manが同日デビューを飾ったり、LDHからは今年PSYCHIC FEVERがプレデビューしていたりと既存事務所の動きも活発になっています。
あとは大型新人BE:FIRST。こちらもオーディション番組からデビューした7人組ですが、これまでずっとこの窮屈な市場で戦い抜いてきたアーティストが市場を変えたいと会社を興してクラウドファンディングやってついにデビューさせていて、メンバーから社長まで気合が違う。この気合がボーイズグループ市場を大きく動かすのではと期待しています。
これ以外にもProduce 101シリーズからOWVや円神、Boomtriggerがデビューしていて、まさに群雄割拠といった様相です。
これまでJpopや既存のボーイズグループにハマりきれずにいた人も、一旦全グループ見てみたら、どっかの沼には落ちるんじゃないかと思えるラインナップになってきたなと。
ボーイズグループ、勝敗を決めるポイントはどこか
まあ、推しに勝ってほしいなみたいな身内びいきはありつつも、勝敗を決する要因はこの辺りになるんだろうなと思ってます。
・既存メディアでどれだけ占有率を上げられるか
言うてね、市場の認知を取るのはまだまだテレビだったりするんで、ここを押さえてまずは知ってもらおうというのは大事だと思います。で、ここが強いのはやっぱ既存事務所系グループ。
・グローバル市場を最初から想定した活動ができるか
Kpopが昨年あれだけの売上を押さえられたのは、限られたオタクから高額むしり取る既存のオフラインライブ方式から、全世界のマイルドユーザから少額出してもらえるオンラインライブへの切り替えが大きかったと思うんですよね。なので、全世界を意識してどう市場の面を取るかというのはこれからめっちゃ大事。Webサイトの多言語対応とかは基本中の基本じゃないでしょうか。で、ここが強いのはすでにノウハウがあるCJが担いでいるグループかなと。
・デジタルを戦略的に活用できるか
グローバル市場と通ずる話なんですけど、できるだけ多くの人に認知してもらってマイルドユーザを増やそうとすると、デジタルの活用は絶対無視できないと思います。いかに多くのユーザが触れる接点に大量に出られるかどうか。韓国と違って権利が厳しい日本だと番組をYoutubeコンテンツにするのは厳しいらしいですがコンテンツ死蔵させても意味ないですし、ここは議論しながらグローバルスタンダードに寄せていったプレイヤーが勝つと思います。SKY-HI兄さんあたりがここは一歩リードしそうな気もする。
なんで大人にオススメなの?
普通に今後のビジネス予測になる
ここまでのお話って、今後日本の色々な市場で起きることなんじゃないかと思っていて、それをエンタメという進化の早い、かつユーザの感情に訴えかけることで成立させる市場をベンチマークすることはめちゃくちゃ勉強になると思うからです。ボーイズグループ名でSNS検索したりすると年代も性別も様々な人達の色々なつぶやきや活動が見えてきたりします。こういった動きから現在進行形の市場動向を測れるので、これも普通に勉強になる。
夢を追い続ける人達の姿勢から学ぶことも多い
仕事って楽しいだけじゃないしキラキラもしてないし、自分に才能がないことを痛感させられたりして、「仕事が楽しみですか」とか聞かれたら回廊ごと燃やそうかと思うことも多いですが、でも続けた先で誰かの役に立ったり、喜んでくれるユーザがいたりするわけです。そしてそれは、仕事を始めたときの私たちの求めるゴールだったりもするわけです。そういったことを思い出させてくれる存在として、今最前線で歯を食いしばって前に進もうとしている彼らの姿から、学びも勇気ももらえることがあると思います。
あ、で、私自身は相変わらずミーハーにドルオタしてまして、CD100枚買うとかしないし、Youtubeも気が向いたときにしか見ないし、そんな感じでのんびりオタクやってます。ファンクラブは入ったけど。
そういう感じで、まずは界隈のぞいてみたら楽しいよ、とオススメして今日は終わります。