書籍レビュー『年間報酬3000万円超えが10年続く 独立系コンサルタントの成功戦略』
コンサルタントというとどうしても「先生」という言葉が浮かぶ。
経営に関する深い知識を持っていて、経営者に対して指導をするものだと。
しかし、本書で著者が述べているコンサルタントの「あり方」は「パートナーとして伴走するコンサルタント」である。
それは、社長がかなえたいビジョンに向けて、社外にいながら右腕として一緒に活動するパートナーを意味する。
コンサルタントに限らず、士業で資格を取得すると、どうしてもその資格の専業業務やスキルを中心にクライアントに提案してしまう。
しかし、実際に企業の悩みはクライアントによって様々で、目指す姿も一社一社異なる。
こうした状況の中、クライアントから長く選ばれるパートナーとなるためには、自分の得意よりもクライアントの悩みにフォーカスするべきだというのが著者の一貫した主張だ。コンサルタントとしても単発契約より継続契約を締結できた方が経営が安定する。
これには大いに同意する。
また、単にクライアントから出される悩みに答え続けるだけでは、いつかコンサルティングの必要性が薄れてしまう。
そのため、受動的に現在の悩みに対応するだけではなく、社長と一緒に今後のビジョンを描き、ビジョンを実現するための課題を能動的に発掘して、継続して改善を行うためにコンサルティングを行っていくという手法にも非常に感銘を受けた。
私自身、中小企業診断士の資格を取得したばかりですぐに独立する意向はないが、今後どのようにこのスキルを活かしていくか参考にしたく本書を手に取った。まずは本書にあった、自分の事業計画作成から始めてみたいと思う。