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書籍レビュー『経営企画のこと もっと知ってほしい』

『会社を成長させるフォロワーシップ』

経営企画という仕事は本書で著者が書いている通り、その仕事をしたことがない方には何をしている仕事なのか分かりにくいものだろう。

社長や役員の指示をもとに現場に対して指示を出していくことも多く、現場からは煙たがられることも多い職場だと思う。
ややもすると、ただの資料作成係や、経営者と現場の間の伝書鳩のように見えるかもしれない。逆にこうした立場にあることで経営企画に配属されただけで現場に対して上から目線で接する人も一定数存在することは自分の経験からも確かである。

そんな経営企画の実務に関して分かりやすくまとめているのが本書である。
本来の経営企画の仕事として、経営者の職務をサポートすることがその本質であり、仕事の内容は以下の3つにまとめられている。
1.経営者の意思決定を助ける
2.経営者の想いの具現化を促進する
3.組織間のギャップを埋める
これらはどれも、経営者だけでも、現場だけでもなしえない重要な仕事である。

1.2.は経営者の右腕として会社の方向性を正しく導く手助けを行い、その中で発生する一時的な組織間のギャップ(どの部署の仕事でもないが必要な仕事)について自らも当事者意識を持ちながら解決していく。

また、著者は経営企画は経営者の良き参謀でありながらも、ただのイエスマンではなく適切な批判を行うことの重要性も説いている。
これをバランスよく実現するためにも、経営者・現場の両方から信頼される人間性と、単に現場に丸投げしない当事者意識が重要であろう。

いずれにしても経営者の後ろ盾をもとに、「虎の威を借りる狐」になっているようでは本末転倒である。
自らも経営に参画する意識を持ち、経営者と同じ目線で会社を良くしたいと思う熱量こそが現場を動かしていくのだと思う。

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