書籍レビュー『グロースハック 予算ゼロでビジネスを急成長させるエンジン』
『金がないなら知恵を使え』
グロースハックという言葉を聞いたことがあるだろうか。
「ハック」という言葉がコンピューターのハッキングもしくはハッカーを想起させ、アウトローなイメージを持つかもしれない。
本書で紹介されているグロースハックは、継続的にプロダクト/サービスを伸ばす仕組みつくりのことであり、そこにエンジニアリング要素が多く含まれることから「ハック」の名を冠している。
特にスタートアップ企業が取り扱うインターネットサービスが、このグロースハックの考え方になじみやすいだろう。
プロダクトそのものの機能の中に、ユーザーを増やし、育て、収益化する仕組みを組み込んでいくのだ。
これまではプロダクト/サービスを拡大させようとすると広告などのマーケティング施策が中心だった。
プロダクト/サービスとは別の仕組みで認知を獲得し、集客し、顧客獲得していく。
しかし、SNSをはじめとしたコミュニケーションメディアが成長したことで、自社サービスからSNSに投稿する機能を実装してユーザーの認知を高めたり、SNSの友だち機能を使って紹介を促進するなどの施策がとれるようになってきた。
本書にはこうしたグロースハックの事例が多く掲載されている。
出版されたのが2014年なので事例としては少し古く感じるが、グロースハックの基本を押さえる意味では十分である。また、事例として取り上げられた企業の中で今日でも成長を続けている企業も多い。(メルカリやplanBCD→kaizen Platform等)
本書を読んだだけでグロースハックを実践できるかというとそこまで簡単なものではないが、入門書として概要を理解するのにはよいであろう。