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ヘイヘイドクター(※しゅんP先生ではない)に、コロナの後遺症を診てもらう。
2年前のこと。
「あー、これは一生治りませんね〜」
私の喉をのぞきこんだ(ヤブ)医者がそう言った。薬も出なかった。
「少しでもマシになるように、喉の体操をしてください」
と言われて、"喉の体操"なるものが紹介されたA4の紙をペラリと渡された。
家に帰って家族にそのことを告げると、「えー、一生治らないことはないでしょう」と。
職場の人にも翌日話してみると、「それ、絶対にセカンドオピニオンとったほうがいいですよ」
・・・・・というわけで、私の住む町にある、もうひとつの耳鼻咽喉科に来てみた。
駅前にある小さなクリニック。
私の喉をのぞきこんだ先生は、
「喉頭炎の一歩てまえだね」
と診断。
「治らない」と診断した(ヤブ)医者と違って、「バシッと治しましょう」と言ってくれたアナイ先生(仮名)。
推定年齢50代。
黒い服に白衣を着て、長い長い脚を組んで座っており、ゆっとりと静かな雰囲気。
でも、話し方や言葉づかいがミュージシャンみたいで、今にもヘイヘイへ〜〜〜イと言いながら、ギターでも弾き出しそうな雰囲気だった。
ただし、腕は良かった。
(ヤブ)医者が「一生治らない」と診断した私の喉は完全復活をとげた。アナイ先生の「バシッと治しましょう」の言葉どおりに。
診察室で、5種類の何かが入っているらしいモクモクしたのを吸わされ、5種類出た薬を家で内服。
「1週間後に診るから、また来てください」
という。
1週間後の13時に再びクリニックを訪れた。
この日もギターを持ってそうなあいかわらずな雰囲気。
ヘイヘイへ〜〜〜イ
(私の脳内に流れる音)
「ちょっと診てみようか・・・・・・、あ〜、いいじゃん、いいじゃん」
ヘイヘイへ〜〜〜イ
予防策として、再び喉がこういうひどいことにならないためには、
「のどを常にうるおすこと」
「過剰にしゃべらないこと」
の2点を挙げられた。
「喋りすぎなんですかね〜?」
と私が言うと、
「え、自分でわからない?」
ヘイヘイへ〜〜〜イ
この切り返しも医師という感じがしなかった、良い意味で。
そして、おとといのこと。
コロナの後遺症で喉をやられてしまい、声がほぼ出なくなった。
喉の状態は良くなったり、悪くなったりの一進一退。
家族の「病院行ったほうがいいよ」のススメもあって、私は再びアナイ先生のクリニックを訪れることになった。
診察室に入ると、やはり黒い洋服に白衣。長い脚を組んで振り返りぎみにこちらを見ている。
ヘイヘイへ〜〜〜イ
2年経っても、変わらないアナイ先生のたたずまい。
コロナの後遺症で喉も痛くて、嗅覚もなくなっていることを伝える。
「ちょっと診ましょうね〜。上向いて。」
と言うので、私がはりきってグイッとアゴをあげると、
「限度があるでしょう〜」
と、軽く笑っていた。
ヘイヘイへ〜〜〜イ
「舌を出して、"エーーー"と言って」
舌を出すと、グイッと思いっきり舌を引っ張られる。
「はい、腫れてるね。これは食べ物を飲み込むときも痛いでしょう」
と。
「ガッツリ薬、出しとくね」
ヘイヘイへ〜〜〜イ
「鼻水は?」
「鼻水はだいじょうぶです。ただ、嗅覚はなくなりました」
と答える。
「・・・・・テンビヤク、いる?」
"テンビヤク"が"点鼻薬"とすぐにはわからなくて、ぽか〜んとしていると、
「嗅覚が戻ってくる薬があるけど、いる?」
ヘイヘイへ〜〜〜イ
優しく言い換えてくれた。
薬を飲み始めて今日で3日目。喉はだんだん良くなっている。
はこふぐ(0歳児)に声かけができるようになった。
寂しかった無音の育児の時間に、少しぬくもりが戻ってきた(ような気がする)。
今回もヘイヘイドクターのお世話になりました。
あの・・・ちなみに、ヘイヘイドクターは今回に限ってしゅんP先生(私の好きな吉本の芸人さん)のことではありません。