リハビリ職が大切にしたい「カスタマーサクセス」というポジション!!!!!
こんにちは。橋本です。
僕は普段、リハビリ職(理学療法士)として働いています。
最近は、リハビリ職でも違う病院や施設だけではなく、起業したり、企業に就職をする人も増えています。そういった影響もあり、医療系ベンチャーの情報がtwitterを中心に目にする機会が増えてきました。その中で、知った1つの言葉が“カスタマーサクセス”でした。
調べると、「リハビリテーションと似てやしないか!?」という気持ちになったので、今回はその気持ちを共有させてください笑
1. カスタマーサクセスとは?
カスタマーサクセスを一言で表すと、
“顧客を成功に導くことでLTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)の最大化を目的とする組織や一連の活動”です。
主なKPIとしてはサービスの解約率、アップセル・クロスセルなどが考えられています。
近年、カスタマーサクセスへの注目が高くなっていると言われています。
その背景の1つとしてSaaS業界の成長が影響しています。
SaaS業界の成長
SaaS(Software as a Service)はサービスとしてソフトウェアを提供する企業のことです。
インターネット環境さえあれば、サービスを利用することができます。様々なアプリーケーションもその一例です。
みなさんがよく使っているグーグルのサービスやドロップボックスなどもSaaSとなります。
こういったツールが充実したことで、遠隔での仕事も可能となり、働き方にも大きな影響を与えています。
国内のSaaSの市場が近年、成長してきています。
SaaS市場ではよくサブスクリプションというビジネスモデルが用いられています。
サブスクリプションモデルというのは、パッケージのように一度サービスを購入して終わりというモデルではなく、月額や年額などの継続課金モデルです。
パッケージでは一度、サービスを購入するとそこで企業との関係性へ切れてしまうことが多いです。
一方、サブスクリプションモデルでは継続課金のため顧客がサービスを解約しない限り、企業との関係性が途切れることがありません。
顧客は会社や事業の課題を解決するためにサービスを購入します。
“業務効率化を図り生産性向上に繋げたい”
“健康経営をして離職率を下げたい”
“ブランディングをして採用に繋げたい”
継続して関わりをもつことで、中長期的に企業のペインに対してアプローチできることになります。
そこで、重要になるのが“カスタマーサクセス”となります。
自社のサービスを理解するだけではなく、顧客の本当の課題はなんなのか。どうすれば解決することができるのか。質の高い仕事が求められます。
2. カスタマーサクセスとカスタマーサービスの違い
カスタマーサポートというと、電話オペレーターをすぐに想像するのではないでしょうか。
何か製品を買って使い方がわからない。
クレジットカードを紛失した。
携帯プランの変更をしたい。
みなさんも、使ったことがあると思います。
カスタマーサクセスとカスタマーサービスの違いが一目瞭然でわかる図があったので共有させてください。
引用:https://boxil.jp/mag/a4314/
ここで印象的なところは「姿勢」と「ゴール」の部分ではないかと個人的には感じました。
カスタマーサクセスは能動的です。つまり、サービス提供側が自ら顧客の課題解決や成功を導きに行きます。
対照的に、カスタマーサービスでは顧客からの反応を待っている状態です。顧客が困った時に対応をします。
課題解決という部分では類似している点もありますが、課題解決の先の本質の顧客の成功まではたどり着くことができません。
似ているようで全く違う、カスタマーサクセスとカスタマーサービス。
3. リハビリとカスタマーサクセス!
僕はリハビリ職(理学療法士)です。今、思い起こすとカスタマーサクセス的なアプローチを行っていたのではないかと感じます。
リハビリテーションで重要なのは、カスタマーサービスではなくカスタマーサクセスです。
患者さんが病院から退院する時に「家に帰りたい」と言うとしましょう。
「はい。わかりました。家に帰るためにリハビリしましょう。」と答えるのはカスタマーサポート的アプローチです(カスタマサポートにもなってないかもしれないけど笑)。
それだけではなく、その人は「なぜ家に帰りたいのか」。を一緒に考えることが大切です。家に帰るためには、現状帰ることができていない状況から何が一番のボトルネックになっているのか評価をしていきます。
「身体的問題、病棟の問題、医師の問題、金銭的問題、住環境の問題、介護保険の問題、家族との関係性の問題」
家に帰ることができない原因は以外にもたくさんあります。
その中で優先順位としてどの要素が高いのか分析し、対応することでスムースな隊員につながり、顧客(患者さん)の成功に近づきます。
家に帰ることができることがベストかもしれませんが、残念ながらそれが叶わない人もいます。
そのような時は「家に帰りたい」という抽象的な訴えから、その人が何を大切にしているのかを探っていきます。
「家という場所、家族という人、一家の主人という自尊心」
どの要素を重要視しているかで、施設やサービスを選択するときの重要な参考材料になります。
仮に、その人の訴えが直接的に叶わなくても、その人の最適解を導くようなアプローチが大切になってきます。
4. まとめ
リハビリテーションという言葉は、「対象者が何かをしたい、目指したい」という主体的な目標や目的に対して、支援していくという意味です。
つまり、対象者の“ありたい姿(成功)”へのアプローチとも言えます。
顧客の成功を導くカスタマーサクセスと親和性のある言葉のように僕は感じました。
テクノロジーの分野でも、ニーズドリブンの重要性をよく目にします。患者目線での思考を常にしているリハビリ職はこういった分野でも活躍できる要素があるのではないかと思います。
自分の可能性は自分で広げていきたいですね。
5. 参考サイト
2019.5.30