シャンパンが教えてくれた母の深い愛
4月下旬に自分にとっては大きく舵を切る決断をした。
そのせいか、日々自分の思考に不安が押し寄せてくる。
そんな中、今日は母の誕生日だった。
朝から妹と姪っ子と実家を訪ねた。
娘2人が揃って来てくれたことに顔には出さないものの、母は嬉しそうだった。
妹が作った米粉のケーキを食べながら、母の身体の話になり、尾骨が出ているから体勢によっては痛いという。私は何気に触れてみる。
確かにすぐに骨だと分かるしそのすぐ上には仙骨だなとも分かるぐらい骨骨しかった。母の身体は様々な病気や症状で骨と皮膚だけになっている。
私はセラピストでもあるし、今身体の使い方を学んでいて姿勢の正し方を伝えながら肩回りに触れ、全体を触れるととにかく力みがすごかった。
私の母は常に先の不安に恐れながら生きていた。
小さい頃からずっと。
力みすぎ~チカラを抜いて~と言いながら肩の位置を調整し、それでも抜けない力みに思わず、不安とか恐れとか自分の思考が作っているだけだから!と口にしていた。
後々、自分にも言い聞かせてるんやなと思った。
実家の帰りにスーパーに立ち寄り、飲みたかったシャンパンを選ぶのに珍しく迷った。普段買い物とかは大抵感覚でするほうだからだ。
それがやはり先の不安感からだろうか、一瞬値段で選ぼうとした。
その瞬間、身体の中が詰まるような澱が溜まるような、なんとも言えない滞りを感じ、すぐさま感覚で決めてたものに取り替え、カゴに入れた。
会計を済ませエコバックに商品を入れながら、ふと思った。
母はずっとずっと節約のために我慢して我慢して、だからあんな力みだらけの身体になったのかなと。育ててくれるために頑張ってくれてたんだなと思うと涙が貯まってきていた。
自転車をこぎながら、今まであまり感じたことのない深い母の愛情を感じることができた。
ありがとうの気持ちと共に自分の母に対する癒しがいつの間にか進んでいた証でもあるなと自分自身にも温かい気持ちで寄り添えた。