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鍼師を目指すあなたへ(その1)
今回は鍼師を目指す方へ、私自身が臨床経験30年で実感した「腕を上げるためのもっとも効果的な方法」についてお伝えします。腕利きの鍼師になるためには必須の内容ですので、どうぞお見逃しなく!
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施術の結果は切経(せっけい)で決まる。
鍼師を目指すのであれば、まず切経(経絡に沿って体表に触れ症状を把握する)が適切にできることが重要です。
刺鍼しても切経が出来ていなければ、当然その効果は低いものになります。施術以前の準備段階である切経が、周到に行われて初めて良い鍼が刺せます。
切経が甘く診断に誤りがあれば、鍼の手技や深さにこだわったところで良い結果が出るはずもありません。切経があいまいなままで刺鍼した場合、結果を求めるあまり鍼数が増えたり、深く刺したりするケースが見受けられます。自信のない鍼師が陥ってしまいがちな状況ともいえます。
必要以上に鍼数を増やすと患者さんの体を必要以上に傷つける事になり、結果的に体に余計な負担をかけてしまいます。
このように、鍼を刺すという施術は、切経の時点で既に結果が決まっているのです。
では、しっかりとした切経が出来るようになるにはどうしたら良いのでしょうか?
それには、回り道のようですが「あん摩の治療を徹底的に行うこと」が、一番の近道だと私は思います。
あん摩を徹底的に学ぶ。
さて、ここであん摩師について考えてみましょう。
あん摩師というのは、手、とくに親指が大変重要な道具となります。
一流の職人が良い道具を持つように、あん摩師もプロの指が必要なのです。素人の指から、プロの指に鍛え直さなければなりません。それには、一にも二にもあん摩の治療を数多く続けることです。
親指にしっかりと体重をかけて治療をします。それも、安定して長時間耐えられるように、とことん続けなければなりません。しかし見習いのうちは、指の圧力が表面で分散して、なかなかうまく体の中に入っていきません。気が付くと四指に力が入り、手全体で体を押しているような施術になってしまいます。
このような事がおきないようにするには、指を鍛えぬくしかありません。ひたすらあん摩を続けるのです。並大抵の練習では親指を鍛えるのは難しいですし、何年もかかるでしょう。指がはれて物が持てなくなることや、感覚がなくなる事は当たり前にあります。
それがある一線を越えると、今までできなかったことが、ある日ふっとできるようになったり、それまで分からなかったさまざまな経絡の変化が分かるようになったりしてくるのです。気が付かないうちに、患者さんの体と自分の指の親和性が出来てくるのです。
ここまで来たら、ようやく鍼師の入り口に立ったことになります。
軽擦(けいさつ)や按撫法(あんぶほう)という方法で、患者さんの体に手や指を対象部位にあてて軽い力で皮膚面をさすると、すっ〜気が流れるようになります。
さあ、いよいよ鍼師のスタートに立ちました。
次回は治療者がステップアップスする具体例について解説しますね。お楽しみに!
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