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追い込まれていた彼女にかけたい言葉

先日プロレスラーの木村花氏の訃報があった。
SNSでの視聴者からの批判により悩んでいた様子であった。
どうしても記録に残しておきたいから、つらつらと書くけど見逃してほしい。

花ちゃんが亡くなったとされる金曜日の夜、私はテラスハウスをちょうど見ていた。

東京が舞台の今シーズンは現在41話あり、自粛期間中の休日に集中して見ていて、今週は32話から見始めていた。


金曜日サワーで酔っぱらって、「ああ一人も楽しいじゃん、まさに干物女じゃない」と夜を楽しんでいたことを覚えている。(証拠があった)

ちょうど3時半ごろ38話を見ていた。まさに批判される原因となった「コスチューム事件」の回である。
なくなった花ちゃんが、好きだった男性「快」への気持ちを一変させ「快」を蔑み、すごい剣幕で罵倒した。

・命より大事にしていた「コスチューム」が洗濯・乾燥され縮んだショック
・好きだと思ったのに自分勝手な面ばかり見えて、大きく失望したこと

2つの要因が重なり、メンバー全員の前でメタメタに批判した。
サワーの酔いもすっかり冷め、身体を硬直させながら見ていたのを覚えている。これはさすがにやばいとテレビに話しかけたのを覚えている。

39話では一夜明けて2人が穏やかに話している様子が映し出されていた。
花ちゃんは人でなしではない、不器用だけれどしっかり向き合う温かい子だった」と印象をもった。そこあたりまで見て、その日は休んだ。

翌日、豊かなお昼寝タイムから15時ごろ起きて携帯を見て、さっと青ざめたのだ。「花ちゃんが…死んだ?…
昨夜その場にいたかのように感じていたこともあり、信じられず次々とニュースで確認したが、写真から見ても間違いないようだった。
言いようのない胸の苦しさと後味の悪さのようなものと不安な気持ちが押し寄せてきた。

その夜、勝手な使命感を抱え、残りの2話を見た。

なんだかこの2話にはもう既に死の気配があったように感じた。

とても他人事とは思えず、その後も暗い気持ちで過ごした。
人情深いviviは悲しむだろうなと、それが辛くなっていた。
日曜日だった。コメントを見て、私もがっつり泣いてしまった。

わたしが問題のシーンを見ていたちょうどそのころ、花ちゃんはこの世を去った。そんな偶然にも心が打たれ、可愛くて素直で前向きで強い女性を想って、誰かに届いたらと自分の体験からこんな言葉をかけてほしいという言葉を紡ごうと決意した。

ここから先は私の話だ。

社会人になりたての頃、お客さんである4人ほどの大人に一斉に非難されたことがあった。

「頼りない。任せられない」
「担当を変えてほしい。」
「残念だ。」

そんな言葉だったかと思う。
その場に確か同僚はいたけれど、私一人に対して。
その4人は氷山の一角だとも思っていた。
自分も実力がないのは十分わかっていたし、言われた言葉は最もだと思っていた。ただ謝ることしかできず、自分のふがいなさにただ傷付くしかなかった。

「頑張っているから大丈夫だよ。」
「優しいところがいいところだからね。」
「おかしいよね。あまり気にしちゃだめだよ。」
「わたしはあなたのこと好きだよ。」

仲間には色々な言葉をかけてもらったけれど、それはそれ。
「ダメかもしれない」と気付いている部分が、他人の表情や言葉で立証され「確固たるダメ」になっていって、励ましの言葉でそれが揺らぐことは無かった。でもダメなんだ、と。

どうせ向いていないこの仕事、ますますいろいろな人に迷惑をかけるし、だからと言って辞める訳にもいかない。やめてもどうせまたどこかで働かなきゃいけない。そんなことを何十年も続けられない。もういなくなりたい。

ここから一歩踏み出せば終わるのに。

電車を前にかつてそう思った日もあった。

花ちゃんとスケールは違えども、似ていた精神状態だったのではないかなと思う。

そこで考えてみたのだけど、もし私だったら、身近にいる信頼している人に「見通しがもてる言葉をかけてもらいたかった」かもしれない。

「今は辛いだろうけど、若手はみんな通る道だよ。○○さんの優しさはみんなが持ち合わせているものじゃないから、そこが強みになっていつか感謝される人になるはず。今日のことをしっかり覚えていて、今後同じことをしないための方策をしっかり考えなさい。私がついているから。」
「つらいね。でも私は○○の△なところがとっても好きだよ。このあと力がついて、□になるにきまってるよ。私はわかるよ。そのために乗り越えなくてはいけないこともある。今が一番つらい時だと思うよ。」

辛いことはその後もたくさんあったけど、大抵のことは、一番つらいときさえ我慢すれば収まることだともう分かっていて、乗り越える力が付いた(と思う)。


花ちゃんはまだ22歳、私が悩んでた時と同い年だった。
甘いところはあったけれど、まだまだ先輩に教えてもらったり怒ってもらったりしながら成長していく年だった。
プロレスラーとして働いている以上、いつも死が身近にあって、誰より死を防止してきた花ちゃんがこうなってしまったのは、そこまで精神を病んでしまったからに違いない。

花ちゃん、辛かったね。棘の在る言葉にとても傷ついていたけど、これは一過性のもので、テラスハウスを卒業したら自然と収まっていくと思うよ。コロナが落ち着いて試合がまた再開したら、気持ちも上がってくると思うよ。花ちゃんがたくさん涙を流してテラスハウスで成長した分、プロレス界にも光が当たって、業界全体が盛り上がるに間違いないよ。花ちゃんにしか、なしえなかったことだよ。これからも花ちゃんに憧れているファンに光を与え続けてね!

そうは言えなかったけど、わたしも誰かを救えるようにこれからも生きていくね。
ご冥福をお祈りいたします。

追記

公開後、#木村花 でnoteサーフィンをした。
気付いていない視点をもらったnoteを無断で紹介させてもらう。

しましまさんの記事
企画側で愛をもった編集にすること、その通りだと思った。
繊細なはなちゃんは、とっとと卒業させてあげてほしかった。
ちょっと長かったと思う。
(YOUTUBEでは見ていませんでした。山チャンネルが3回もあったのだな。)
ちょっとネタに走ってしまった印象がぬぐえなかったと私も思う。

Rinさんの記事
正論が人を貶めるとのこと、そういうことかと納得した。
みんな言われるけれど、花の場合は言い逃れることができなかったから、死に目を向けるしかなかったのか。とても切ない。何様なんだろう。

potatoさんの記事

わたしはスタジオや番組の在り方自体がどうかと思ったんだよな、なんて偉そうに友達に話していたけれど、そもそも今回の原因は視聴者にあったのだった。安易に番組を否定しては、結局自分も正義を振りかざして言いたい放題ではないかとハッとさせられた。視聴者の心無いコメントが繊細な彼女を傷付けた、それが変わらない事実である。今後リテラシーが問われる。

まーさんの記事

最後にこれを記事から引用させてもらう。正義・正論の扱いは慎重になる必要がある。

とても考えさせられてもっと見たかったけれど、タイムオーバーなのでここまでにする。勝手に引用させてもらいました。ありがとうございました。

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