骨盤と内臓下垂について考える
前回前々回と骨盤の開閉について書いてきましたが、この骨盤ポジション、内臓の健康にとっても重要ではないかと考えています。
・内臓を受け止める骨盤
人間の骨盤は上に向かって開いた、ろうと状の形をしていますね。
この形、動物の中ではかなり珍しい。
ほとんどの動物にとっての骨盤は、背骨と足をつなぐだけの働きをする細い輪っかにすぎません。
人間の骨盤がこんな形をしているのは、二足歩行するからです。単なる輪っか型の骨盤では、内臓は下に向かって下がっていってしまいますから。
上向きに開いた大きな骨盤によって、内臓を受け止めるようになっています。両手の手のひらでものを支えているような感じですね。
逆に言うと、この骨盤の下側が開くと、内臓を支える力がなくなってしまいます。
胃下垂などの内臓下垂や、出産後の女性に見られる骨盤臓器脱などは、こうした骨盤の状態も関係あるのではないかと考えています。
・骨盤を支える足の筋肉
実は骨盤を支えているのは、足の筋肉です。
足を動かす筋肉の多くが骨盤の外縁部につながっていて、外縁部を下に引っ張ることで中央部を持ち上げる(下側を閉じる)働きをしています。
足を使うことが少なくなってきた現代人の生活は、ロコモティブシンドロームのような直接的なものだけではなく、生物としての人間の機能を落とし、さまざまなところに影響するのだと考えています。
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