検事長定年延長問題に首突っ込んで分かったこと
お蔵入りさせることを決断したnoteがある。
5/10(日)の母の日にも関わらず、Twitterを大いに賑わせ、反対に関するハッシュタグが200万件にも及んだとんでも大騒動、「検事長の定年延長問題」
私は迂闊にもそのハッシュタグに便乗してTwitterに投稿したが、その後の反省から一から勉強しなおし、この一連の騒動について意見表明した、まとめnoteをお蔵入りさせていた。
なお、本日、5/22(金)に至り、
この体たらくであったことは、大変がっかりさせられたのだが。
なお、この件に関するnoteをお蔵入りさせた理由は、以上の記事を受けてのことではない。
それではなぜお蔵入りさせたのか。
正直に告白する。
勉強すればするほど、分からないことが増え、
自分の意見を表明することが恐ろしくなったから
である。
良く言えば、慎重。
悪く言えば、日和った。
どちらに捉えられても、文句は言えない。
が、この度お蔵入りさせたことによって、良かったと言えることがある。
勉強するのってこんなにも楽しい
リアルタイムでホットな時事問題に便乗して勉強した経験を踏まえ、検事長の定年延長騒動に関するnoteは、自分の意見を表明する内容ではなく、この問題について書こうと思い、一から勉強したり調べたりして、良かったこと・考えたことについてまとめる内容にしようと思う。
ステージ1:そもそも分からんことが多すぎた
聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥、ということわざがある。
わからない物事に関するスタンスの格言である。
恥を忍んで告白するが、自分はこれらの言葉の意味を、そもそもきちんと理解できていなかった。
「三権分立ってなんぞや?」
「そもそも国会って?」
「衆議院と参議院ってなんで別なんだっけ?」
「検察庁ってなんぞや?」
「検察官ってなんぞや?」
これはマズい。
これらの言葉の意味もろくに理解もしないで、訳知り顔で時事問題に首を突っ込むなんて…
ああ考えただけで虫酸が走る…
というわけで、一時の恥を選んで、Google先生にこれらの用語について分かりやすく説明してあるHPを行脚し、一から勉強し直した。
三権分立とは?
国会とは?
衆議院と参議院について
※なお、これ読んでも、そもそもなぜ日本は二院制を敷いてるのかという疑問は氷解しなかった!
法務省の組織図と日本の行政機関
検察庁のHPだけでは、検察庁は法務省の特別機関であるってことすら分からんかった!自分の無知を恥じるばかりである。
検察庁・検察官について
まずこれだけの前提条件を改めて調べて理解しようとするだけで、大変骨であった。
きっと、まだまだ足りなかったことだろう。
ステージ2:ニュース記事を読んでみた
まずここまで調べた上で、ニュース記事を読んでみたら様々な疑問が湧いて出てきた。
・そもそもコロナ状況下でやる必要のあること?
・今年1月に閣議決定した東京高検の黒川検事長の定年延長を撤回すべきだ?
などなど。
執筆時はよもやこんなオチになるとは思っていなかったが、その時の自分は、渦中の人物黒川検事長について調べていた。
ステージ3:渦中の人を調べる
あまりこういう記事は好きではなかったが、色々調べてから読むと実に生々しいと思ったことをよく覚えている。
執筆時の自分は、下記のようにまとめていた。
・法務省特別機関の検察庁トップの検事総長に、黒川検事長を就かせたい、らしい
・推測される理由は、今年1月に黒川検事長の定年延長を、内閣が閣議決定したこと(※この情報ソースは全然見つからんかった)
・黒川検事長は、昨今の内閣のスキャンダルに対して甘々らしい
・だから今回の定年延長法案は政権に甘々な検事長を検事総長にするための法案なのではないか!どうなんだ!
ここまで深入りして、どんどん混沌としてきた。
ステージ4:調べる者は惹かれ合う
だが、調べている最中、大変ありがたいTweetと巡り合うことができた。
さんの一連のTweetを読むことで、根本からの固定観念が覆され刮目する思いだった。
Takehiro OHYAさんに心より御礼を申し上げます。
詳細はこちらからご覧頂きたいのだが、要旨は
・一般公務員の定年を65歳に伸ばす以上、検察官らの定年を伸ばすのは普通
・あくまでも論点は「国家公務員法の一部を改正する法律案」である。検察だけを特別扱いしている法案ではない
・定年自体は対象者全員が伸びる
・検察官個人を問題視するのと、法案に反対するのはおかしい
といった内容。
中でも響いたのが、
このTweet。
え!?
とっくの昔から議論されてた話じゃないか!?
と。
ただ、この情報を鵜呑みにするのはマズいと思い、無礼を承知でリプしてみた。
この文面で、初対面の人にお尋ねするの失礼じゃないよね?(今更)
すると驚いたことに、この質問ツイートに対して懇切丁寧なお返事が帰ってきたのである。
この場をお借りして、
さん。
さん。
心より御礼を申し上げます!
2011年:定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出
『aw(えーだぶさん)からの情報』
書けばつながるのだ。本当に。
ステージ5:そしてお蔵入りへ
…と、ここまで情報ソースが揃った上で改めて考え直そうとして、また途方に暮れた。
・国会を通さず「閣議決定」だけで定年延長してしまったのは政府があかん
・でも、「公務員の定年延長」は今回の件で揉める以前にずっと前から決まってた話で、たまたまコロナの時期と重なってしまっただけ
・黒川検事長が悪いのと、公務員の定年延長の法制度を変えることは全く別問題
…
ここまで調べといて、情報ソースまでご提供頂いてまで、あれですが。
この問題、どこに着地すればいいの?
ここまで考えた上で、COMEMOHUBのメンバーに下書きを読んでいただいたり、相談に乗ってもらったりもした。
自分自身の専門知識がない事柄に対して、明確なポジションを表明したり、意見を物申すのは恐れ多いし誤解を招くかもしれない。
下手したら炎上するのではないか…
などなど鑑みて、前述の通りお蔵入りさせたのだ。
ステージ6:本質は意外なところにあった
だがここで待てよ、と思った。
めっちゃこの問題に対して真摯に勉強して向き合ったよな
と前向きに捉えてみたのだ。
この件に関して意見を表明することよりも、むしろ事の真相を明らかにしようと、一から言葉や制度から勉強し直して、この話題に真正面から突っ込んだからこそ、分かったことや良かったこと、ありがたかったことがたくさんあったではないか。
そっちのほうが、意見を表明することよりも、よっぽど大事なことじゃないか?
勉強前の自分は、三権分立の定義すら危うかったが、今回の件でしっかり把握することができた(はず)。
検察庁は、法務省の特別機関であるということや、検事長の定年が63歳までということも初めて知った。
一時の感情でなんとなく自分の旗印をTwitter上に表明することの危うさについても、痛いほど思い知ることができた。
それになによりも、きちんと調べていたら、同志と巡り合うことができ、書けばつながる体験をすることができたではないか。
これらをきちんと理解したことのほうが、遥かに大事だった。
当初の書こうとした想いから大幅に外れはしたものの、実はこの件について調べたり、勉強したりして学んだことそのもの、プロセスが自分にとって重要であり、事の本質だったのだ。
だから今回の教訓を一言で述べるならば、これに尽きる。
分からないことは恥ずかしくないから勉強しよう。
以上。
蛇足(これくらいはしないとね)
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