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空の詩

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空を見上げる描写があるもの。或いは、星や天候が主人公のもの。
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記事一覧

晩秋、太陽とケンカ日和。

「早寝だね。」 「夏も終わりだからな。」 太陽もすっかりオレンジ色になって、 今にも沈もう…

いぬはっか
1か月前
4

緑が足りない!

空を見ていた。 ふと、写真を撮りたくなって、 カメラを真上に向けてシャッターを切った。 …

いぬはっか
2か月前
2

雲の休暇

いつもは全国各地バラバラだけど、 お盆休みの時期ってことでさ。 夏だしね。海に行こうじゃな…

いぬはっか
2か月前
2

窓の外でうるさいやつら

朝の6時。 窓の外で、スズメが鳴いている。 すぐ近くだ。たぶん、物干し竿にとまってるんだろ…

いぬはっか
4か月前
3

アジサイを目印に

「遅いなあ。」と呟く声がして、 そっちを見ると、アジサイが咲いていた。 「まだかなあ。」と…

いぬはっか
5か月前
2

1匹だけの鯉のぼり

鯉のぼりと聞くと、普通、何匹かいるもんだと思う。 大きいやつが上、小さいやつが下。 で、3…

いぬはっか
6か月前
5

桜ならまだ寝てるよ

「桜なら、まだ咲いてないよ。」 飛ばされそうになる帽子を押さえながら、 すれ違っていく風に言う。 「なんだ、今年はずいぶん遅いな。」 春一番を吹きに来た風も、 困ったように、ためらいがちに吹いている。 いつもなら、こういう風に乗って、 ピンク色の花びらが舞い散るのを見られる。 でも、今年は風だけ吹いている。 「ここ最近、寒かったからね。まだ寝てるんじゃないの。」 「せっかく待ち合わせしたのにな。」 「また日を改めて来たらどうだ。」 「そしたらもう春一番じゃないな。春二番

落下マニア

「落石注意」の看板の通り、 目の前に石が落ちてきた。 ほんの小さな石だったけど、 こんなで…

いぬはっか
8か月前
2

夜泣きする夜をあやすそんな夜

風が強い。 まだ涙は出ていないけど、 泣く前だからこそ、一番機嫌が悪い時だ。 怒ったような…

いぬはっか
8か月前
3

隕石の日記『地球到着』

さっきまでは寒かった。 大気圏に入ったあたりから、 逆に、めちゃくちゃ暑くなった。 暑くな…

いぬはっか
10か月前
4

雨がそんなに悪いのか

朝が寒い。 布団からなかなか出られない。そんな季節になった。 まだ、この寒さに身体も慣れな…

4

意図しない助かり

今日は良い天気だ。と、 さっきまでそう思っていた。 頭上を通りすぎていくカラスが、 「雨が…

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太陽の頼み事

「花火が見たい。」と言い出した。 花火といえば夜にやるものだから、 太陽にしてみれば、珍し…

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傘が最近ヒマらしい。

こんなすごい雨なのに。 なんで傘を持って出かけなかったんだ。 家の傘立てで立ちっぱなしの傘が、 帰ってきた僕に、そんな愚痴を言う。 「天気予報でも言ってなかったんだ。しょうがないだろ。」 「そうだけど。せっかく、出番ありそうだったのになあ。」 そういえば、洗濯物を干したままだった。 思い出したとたん、気分が沈む。 きっと、びしょびしょになってるだろうな。 そんな沈んだ顔を見た傘が、 何か思いついた顔をする。 「明日から、ベランダに置いといてくれないか。」 「いいけど