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テレビ東京【家ついてってイイですか】癌末期のミュージシャンのドキュメンタリーがリアルだった
いつもはお店と看護師の事を書いているんですが、先日観た番組が、今まで観た医療系のドキュメンタリーの中で一番リアルに感じたのでその話をしてみたいと思います。
私は看護師で、18歳の頃から仕事につきました。その時は将来小料理屋をするなんて、全く思ってなかったです。先輩看護師に怒られ、患者さんのニーズに応えられず、バッタバタと働きながらも、仕事が終われば飲み、遊び歩く、そんな若い時代が私にもありました。遊んでいる私も、そのうち気付いてしまうのです。
以外に容易く、
身近な理由で、
誰もが知ってる病で、
人の命は亡くなってしまうことを。
テレビ東京
家、ついて行ってイイですか📺
番組には最愛の人を喪ったという女性の御宅に伺うという回。偶然にも、別のテレビスタッフがその最愛の人のドキュメンタリーを撮影していた事が判り一緒に放映されました。
最愛の人の名前は「イノマー」男性ミュージシャンです。破天荒な音楽性からメジャーデビューは出来なかったけれど、たくさんのプロのミュージシャンにも慕われる有名な方だったそう。
イノマーは舌癌、それも下部の癌になってしまい舌の一部を失い、食事を摂ることは勿論、構音が難しくなってしまう。歌手の彼にとって、皮肉で可哀想な状況です。
放射線治療や抗癌剤治療をするイノマー。
しかし再発してしまう。
どんどん痩せて、頸部には皮膚の表層から外へ隆起する腫瘍(癌の病変)が、映された。
お腹の下の方には窪みが。口から食事が取れず、手術の時に胃瘻を造ったんだろうか、、
(※私個人のあくまで推測です)
時間が経過し、頸部の腫瘍は更に大きくなって隆起し、気道が閉塞しないように、気管に(トラックケア)チューブが留置されている様子が映された。
その闘病生活の中で、イノマーがミュージシャンとしてやりたいこと、想い、死にたくないという想いが綴られたノートなどが出てきて、仲間のミュージシャンや彼女さん達が彼を支える様子が映し出されていた。
医療ドキュメンタリーはテレビで見かけることはあるけれど、「想い」や「元気だったときの様子」「体調の良いとき」が主に使われて放映されていて、本当のリアルが看護師の私から見ると描かれてないと感じる事が多い。
📺️『家、ついてってイイですか』
医療ドキュメンタリーのつもりで観てなかった所で、イノマーさんの闘病生活はリアルだった。例えば腫瘍が大きくなって皮膚の表層から突出、隆起していく経過や、手術の影響で唾液が呑み込めず外に垂れ流しになっている光景、亡くなる直前の昏睡状態の様子、表情、亡くなる時のモニター変化に気付いた看護師と彼女さんとのやり取り。リアルな状態が放映されていた。
何より、衰弱し痩せ細ったイノマーさんが車椅子でステージに上がり、歌が始まると英気を取り戻して、両足で立ちギター演奏と歌をやり遂げるその様子は涙が止まらなかった。
ロックだった。
イノマーさんのドキュメンタリー。
そのどの場面にもリアルがあった。
観るに耐えかねた人も居たかもしれない。
私は永く、急性期医療、救急医療に携わってきて、人の命というものは、簡単に亡くなってしまうことや、理由が解らない運のような事があるのこと、避ける事が出来ずに巻き込まれ亡くなる人、そして終末期の心身極限状態にある人、そしてその家族をたくさん観てきた。
平穏無事に生きること、生活すること、
当たり前のようで当たり前じゃない事を知った。
イノマーさんの頸部の隆起した腫瘍は、
医療を知らない人も
医療を知っている人にも、
テレビ越しに観る事で、
センセーショナルに映ったはず、、
命は脆くて、尊い。
私は、涙が止まらなかった。
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![ふじコ(福岡市の看護師が営む店『博多okatteふじコ』店主)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27725028/profile_8869ea3f9ef3f488518fc305b2f169e5.jpg?width=600&crop=1:1,smart)