長く険しかった婚活の記録⑫【天国から地獄】
その日、私はあまり体調が良くなかった。
しかし週に1回の彼に会える日。
少し無理をしてでも明るくいようと思った。
夜ごはんを食べているとき、小さなケンカになった。
本当に小さなケンカだ。
しかし体調が悪く頭の回らない私は、いつもにも増して感情的に話す。
「論理的じゃない」
超理系の彼は、私を見下すようにそう言った。
私の中でモヤモヤしたものが渦巻き、言葉にならない思いが涙として流れた。
泣き続ける私を見て、彼はバツが悪そうにベランダにたばこを吸いに行った。
あー慰めてもくれないのか。
悲しくて虚しくて、その日は会話せずに眠りについた。
翌朝。
目を覚ますと彼が帰宅の準備をしていた。
今まで私の家に置いていた寝間着やゲームもバッグに詰めている。
「話し合おうよ」
声をかけてもニコリともしない。
「1人で考えたい」
「考えるってなにを?」
「わからない」
「一緒に考えようよ」
「1人で考えたい」
彼の冷たい目を見て、急に冷めたんだなと思った。
深く考えるより、その時の感情で動く人だということはわかっていた。
「ありがとう」
荷物をまとめた彼はそう言って帰っていった。
あー別れの言葉だな。
1人になった部屋で私は現実を受け止めることが出来ず、ただただ呆然としていた。
こんなことで終わるの?
たったこれだけで?
それから1週間、彼からの連絡はなかった。
不安と寂しさで夜になると涙が止まらなくなり、今死んだらあの人の彼女のままでいられるかも…と考えることもあった。
そして我慢の限界が訪れ、私からLINEを送った。
”お疲れさま。
まだ考えてるの?”
すぐに既読が付き、返事が返ってきた。
”考えたけど、付き合っていくことはできない。
ごめん。”
死ねばいいのにと思った。
自分から連絡もせず、LINEで別れを告げるなんてどれだけ人のことをバカにしているんだろう。
”電話できる?”
すぐに着信があり、少し面倒くさそうな彼の声が聞こえる。
「理由は?」
「やっぱり論理的じゃないところが無理。
話し合いができない人とはやっていけない。」
「そっか。別れてもいいから、最後にもう一回会いたい」
別れないでとすがる気もなかったが、最後に会って話したかった。
たった3ヶ月だったが、嫌な思い出にしたくなかった。
「俺としては会う理由ない」
彼からの返事に全身の力が抜けた。
あー最低な人と付き合ってしまった。
電話を切り、私は頭がおかしくなるほど声を上げて泣いた。
次回は【パニック障害】について書きたいと思います。
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