詩)リクルート
さあ 塔を登り切れ
奴等はきっと 最上階に
駆け上がるんだ 今がクライマックス
もう同じルートは使えない
この一歩に感じられる
脳疲労だけじゃなく ちゃんと腱にも響いてくる
これだ こうでないと
忘れていたぞ ほんもんの現実を
ずいぶんと身体が鈍って ふやけてやがる
それでも あと少しか
でも おい待てよ
もしも あれだけ用意周到のやってのけた奴等なら
きっと最上階でそのまま待っているような
間の抜けたことは決してしないはずだ
自由という名の強制を
希望でパッケージした絶望を
ひたすら擦っていた輩たち
まさかこの期に及んで何の用意もないとでも?
……
「おい、なぜ止まる!休んでる場合じゃないぞ!」
なあ ちょっと先に行っててくれないか?
「何で?」
先に行ってくれと言っている
「まさか、オマエ、オレを疑ってんのか?」
そんなことないよ
少し気になった箇所があって戻るだけだよ
「そうか、そうやってオマエは、オレの背後を取ろうとする、じゃあサヨナラだ」
完)リクルート
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?