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【毎日短歌】羅城門に啼く/松下隆一【書評】

なむあみだぶつなむあみだぶつなむあみだぶつ唱えれば満つ羅城門こんにちは。ハカイさんです。 前に読んだ「春を待つ」が面白かったので、松下隆一さんの代表作「羅生門に啼く」を読ませていただきました。 「あらすじ」 親を知らずに育ち、殺人や悪事をして日銭を稼ぐ主人公イチは、役人に捕まり斬首されるところを市の聖空也上人に助けられる。 上人と行動するうちに回心し、以前に自身の手で殺した女の娘の面倒を見ることになるが、娘は身籠っていた。 親と子という関係自体を憎んでいたイチが、他人の子を

【毎日短歌】春を待つ/松下隆一【書評】

子は親に 親は子に 生かされている 冬を超え 今、春を待つ松下隆一さんの「春を待つ」を読みました。 勉強の為に行った図書館で休憩に本を読もうなんて思ったのが間違いでした。 読み始めたら最後まで、ノンストップで、読んじゃいました(笑) 何を読むか本棚を物色しているときに、春らしい明るいタイトルにひかれたので手に取ったのですが、結構つらい設定でした。 「子は親に、そして親も子に生かされているのだ」というテーマを重苦しい社会問題と絡めて描いた作品です。 子供時代に照らし合わせて