読書メモ:中尾隆一郎『最高の結果を出すKPIマネジメント』

感想

KPI マネジメントとは何か、どのように設定し運用するか、についてまとめらています。

特にKPI をどのように設定することで、「KPI マネジメントは運用が大変だけど成果が上がらない」を回避することができるのかを丁寧に説明していて、KPI をどのように設定し運用すればいいのか疑問を持っている私にとって、「あ、こうしてみればいいのか」とイメージを与えてくれる本でした。

例として営業に関することや採用に関することが挙げられていて、そういった業務をやっていればよりどうすれば良いのか具体的なイメージを持つことができると思います。私の場合は、ものづくりやソフトウェアの開発案件で考える必要があるのですが、その商品やサービスのどこが要点、つまり Critical Success Factor であるのか、それを数字で表すと何か、ということを考えるのは共通していることに気づきました。

また、一旦設定して終わりとするよりも一回でベストなやり方にたどり着かないという前提で、設定して振り返って修正を続けていく、ということも大事な点の一つという理解ができました。

以下に、本書で参考になると思った部分の抜粋・要約を紹介します。

抜粋・要約

現在の事業にとって最重要プロセス CSF: Critical Success Factor をどの程度実行するのか数値目標として表したのが KPI で、その結果最終的に達成する目標が KGIである。KPI は最重要であるCSF に対応するので、1つだけ決める。

ゴールがなんであるのか、事業の成功の鍵が何であるのかが理解できていないということは、どういったKGI が達成されることを目指しているのか、 CSF が定義できていないということであり、意味のあるKPI が設定できるわけものない。

CSF はプロセスであり、現場がコントロールできる、現場の努力で変化するプロセスである必要がある。また、KPI は先行指標・その瞬間での状態を表す数値とする。そうでなければ、KPIによって判断し行動を変化させることができない。

KPI の設定では、ロジックが実際の世界と整合しているか、数字が安定して取得できるか、現場のメンバー全員が理解できる&覚えやすい単純な表現・数字であるか、が重要である。

KPI 導入の際は、バカの壁=シンプルな1つに絞ることに関して馬鹿にされるかもしれないと思うこと、不安の壁=正しいKPI が設定できているか不安に思うこと、の2つの壁がある。知っているとその壁を越えられる可能性が高まる。

KPI を設定して施策を導入する際には同時に複数のことを行わないようにする。なぜなら複数の施策を同時に行おうとすると、その中で現場が優先順位を付けてしまいどの施策によって効果が上がる・上がらない、がわからなくなる。

振り返りをすることで知恵が蓄積される&上手く行った・行かなかった原因をみつけて次回同じ結果にならないように対策を打つことができる。

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