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長州レジームからの脱却でもうひとつの日本が生れる
◇歴史に「イフ」を問うことは大切だ
あの時こうしていたら・・・。反対にこちらを選択していたら…。個人でも団体でも社会や国に関しても、このような「イフ」を頭に思い浮かべてしまうことはあるでしょう。
「近代史のイフ」を問うことで、日本の歩み・現状・未来を切り拓く原動力になるのではないか。この思いからこの講演会を企画しました。
戊辰戦争で勝利した人たちが明治国家を作って150年以上。1945年の敗戦を経ても彼らの血脈的思想的子孫は健在であり、彼らによって現在は「裏金国家」が形成されています。
同時に、彼ら(尊攘派)の特徴である「周辺諸国に居丈高にふるまる」姿勢も現代に受け継がれています。その一方で表面上は英米などの覇権国にはペコペコする。一度、逆切れしましたが。
このような尊攘派を擁護する声が圧倒的です。「明治維新後の国家も悪い側面や暴走した点はある。でも、封建的な徳川政権を倒し、日本の近代化に貢献したのは明治維新だった・・・、日本が植民地にされるのを救ったのが維新勢力」と。
◇左翼と右翼の共犯関係
このような明治維新史観は、まず右翼や保守派が大好きです。しかし、体制側に批判的な左翼の主流派も、一貫して明治維新史観を保ち続けてきました。
日本史の大きな転換点で、一方的な史観が毛細血管を通して日本のすみずみまで行き渡り、いまだに揺るがない理由のひとつは、明治維新の評価における右翼と左翼の共犯関係、いや共謀関係にあるのかもしれません。
だから、司馬遼太郎史観もはびこり、映画・演劇・テレビ・小説・漫画・学界・社会・経済界・学校をとおして、今も人々の頭に刷り込みが行われていると思います。
◇明治維新勢力より、はるかに近代的で自由だった人たち
しかし、江戸末期にはさまざまな立憲構想、憲法構想があったのです。中にはいきなり普通選挙を実施しようと考えていた赤松小三郎という人もいました。しかも、選挙で選ばれた人員で構成する国会(議政局=上局30議席と下局130議席の二院制)に大幅に権限を与える構想です。
天皇より議政局(下局)の権限が強い。さらに各省庁高官は議会による任命。三権分立の明確化・・・。2024年の国会でもできていないことを提唱していたのです。
あるいは、薩土盟約(薩摩と土佐の盟約)でも、国会(議事院=二院制)を設立し、これまた普通選挙で人員を選出すると記されている。彼らもまた、日本を議会制民主主義の国にしようとしていたのです。
ここで大切なのは、【当時の日本では、この考えはごく普通に受け入られつつあった。】(「赤松小三郎ともう一つの明治維新」関良基著 作品社)ことです。
◇尊王攘夷派のテロリズムの結果
ついでながら、経済面でもひとこと。黒船がやってきた後の日米交渉の結果、関税率20%という、不平等条約どころか日本に有利な日米通商条約を結びました。
その結果、1865年には、関税だけで当時の年貢に匹敵する巨額のカネを日本は手中に収めることになったのです。
しかし、尊王攘夷派による外国人に対するテロが吹き荒れ、大英帝国をはじめ各国の態度が硬化。貿易で巨額の利益を得ていた翌1866年には日本の関税は20%から5%にさげられ、やがて関税自主権も奪われてしまったのです。
相次ぐテロの結果でした。
ほんとうは、日本は様々な可能性があった。さまざまな歴史的資料を整理して、実は多様な選択肢があったことを示してくれるのは、今回の講師である関良基・拓殖大学教授の明治維新史観批判三部作です。
第一弾「赤松小三郎ともう一つの明治維新~テロに葬られた立憲主義の夢」
第二弾「日本を開国させた男、松平忠固~近代日本の礎を気付いた老中」
第三弾「江戸の憲法構想~日本近代史の“イフ”」(新刊)
新著の出版を記念して、日本の近代史を問い直す講演をお願いしました。
ぜひご参加ください(林 克明)
■史上最悪のミステイク? 「明治維新」
~江戸の憲法構想から明治維新史観を問う~
講師:関良基さん(拓殖大学教授)
日時:2024年5月11日(土)13:30開場、14時開始
場所:文京シビックセンター3階 第一会議室
住所:東京都文京区春日1-16-21
東京メトロ丸ノ内線・南北線 後楽園駅直結 / 都営地下鉄三田線・大江戸線 春日駅直結
https://www.b-academy.jp/rental/bc/meeting01.html?fbclid=IwAR2ob-yPnhxGVEhETK4JhXmxih5s8XJjZMBZr5KveTP90-VYi4wpBFuE10Y_aem_AZF8ZMoO9aMzb0DXHlPUeTA_aHZGECsMRITMiAvYsp75z8tRTQ8hnrZApDDHcZkQ4aJsa9YAGX-_KAV60or3W2xU
資料代:500円
※予約なしでも参加できますが、会場設営のために事前に申し込んでもらえるとありがたいです。また当日の受付もすぐすみます。
【申し込み】
「氏名と5月11日参加」と書き、下記のアドレスに送信お願いします。
kusanomi@notnet.jp
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![Hayashi Masaaki 林克明ジャーナリスト](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35947500/profile_dd00a4f94c9bfd797343fe1a0463c146.jpg?width=600&crop=1:1,smart)