YouTubeチェーホフの「犬を連れた奥さん」を使ったシャドーイング 62歳からのロシア語18
YouTube使っての言語練習は自分の好きな動画を選ぶ
いまの時代は、何でもそろっていて言葉を学習するのに便利だ。私の若いころなど考えられないほど、いろいろな方法がある。そのひとつがYouTubeだ。
基本単語をひたすら覚えたり、文法知識を得る学習だけしていると気が滅入ってくるので、趣味の動画を視聴し内容を理解できるようにするのが楽しい。
私は、①文芸もの ②時事問題 の大きく二つの分野を意識して具体的なコンテンツを選んでいる。たとえば①のジャンルの例が「チェーホフの犬を連れた奥さん」のオーディオブック。
時事ネタは生々しく、俳優やアナウンサーや声優でない素人が頻繁に登場する。しかしオーディオブックだとプロが音声が吹き込んでいるので、学習者には勉強になる。
名優アレクセイ・バターロフが朗読している「犬を連れた奥さん」を見つけたので、これを利用することにした。俳優ってほんとうに話すのが上手いなあ。
初心者と中級者はテキストがあったほうがいいと思う
今回、プロが音声を吹き込んでいるオーディオブック、それも古典なのでかならずネット上にテキストがアップされているはずだと睨み、Дфма с собачкой текст(犬を連れた奥さん テキスト)と検索してみた。
やはりいくつも出てきた。その中で一番見やすいものを選びプリントアウトする。
とりあえず音声を聴いてみる。何度聞いてもわかからないのが普通なので、無理をせずに「ロシア語自動生成」の字幕をつける。さらにプリントしたテキストを利用して、何度もきいてもわからなければ活字をみて把握する。
次にわからない単語や表現を調べる。本当はきちんとした辞書を使うべきだろうが、この動画の意味を調べているときは忙しかったので、グーグル翻訳、ディープル翻訳、Yakuru ロシア語オンライン辞書、つまりネット上の辞書などを利用して単語を調べた。
動画の「文字起こし」で、聞きたい箇所と見たい箇所を表示する
上の写真だが、画面下の概要欄にある「文字起こし」をクリックして、画面をデフォルト表示し、その右に文字起こしが配置されるようにする。
何度も短い音声を繰り返し聞き、何度も該当箇所に画像を戻さなければならない。
画面下のバーをいじっていたのではとてもじゃないが、任意の個所を表示できないので「文字起こし」を使うと、表示したい場所にたどり着けるので便利だと思う。
一分をひとまとめに区切って繰り返し聞いて発音する
音声を聴いてそのままマネをして発音する・・・と一口に言ってもかなり難しい。そこでだいたい1分間くらいに小刻みに区切って繰り返す。
上に示した印刷テキストの写真で、赤ボールペンを使いスラッシュを入れ区切っているが、その範囲内で繰り返すようにしている。
で、すらすら言えない部分は、赤い下線を引いてある。
①あらかじめ区切った約1分間の音声を何度も聞く。
②どうせわからないから、テキストを見る。
③わからない単語の意味を調べる。
④音声を流しながらテキストを見る。10回
⑤音声を流してテキストを見ながら、ぶつぶつと口に出して言う。10回
⑥音声だけを聴きテキストを見ない繰り返す10回
⑦どうしても言えない、発音しずらい箇所をテキストに赤線を引く。
⑧赤線を引いた場所だけ10回ずつ発音してみる。
本当はこのあとに、自分の声を録音して、どこが悪いかチェックしたほうがいいが、私はめんどくさいのでやっていない。近いうちにこれは実行するつもりだ。
かろうじて1分間朗読できるまで最低1週間はかかる
以上でその日は終わるが、これで自分で朗読できるまでにはならない。上記で示したようなことを1週間つづけて、かろうじて1分間だけ朗読(何とか口に出せるレベル)できるようになる。
「かろうじて」だ。ほんとうに自分の言語能力のなさには、あきれる。
それでも、毎日少しずつでも「聞いて発音して」を繰り返す地味な作業を継続できるのは、音声から流れる声が心地いいからだ。響きがいい。
トルストイの「ハジ・ムラート」朗読を8割理解したい
実は、あと1年以内にトルストイの「ハジ・ムラート」の朗読をテキストを見ないで8割くらい理解できるくらいになりたい、というひそかな野望を持っている。
ハジムラート«Хаджи-Мурат». Л.Н.Толстой. Читает Владимир Антоник. Аудиокнига. Часть 1
この人の声と発音、声の演技が気に入っている。そしてこの本の第一章の冒頭に出てくる村の名を聴いて驚いた。
ずいぶんと昔の話だが、ロシアからテロリスト・ナンバーワンと指摘されていた男に、私が初めて会った村だった。
そのことになぜか感動した。一年後には、この小説の朗読だけは、聴いて8割くらい分かるようにしたい。
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