繰り返されるウチュウ
ビッグバンははじまりではなく、おわりからの再起動、なのかもしれない。終わりなきロマンともいえるし、果てしない無力感にも襲われる。
なにが本当なのか、宇宙のことを知れば知るほど良く分からなくなってくる。あのハッブル望遠鏡で有名な、エドウィン・ハッブル博士が遠い宇宙を観測したところ、これまでの常識とは違った『事実』に気づく。宇宙はどんどん膨張していたのだ。
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渋谷。毎日進化する街。行き交う人々は都会のそれらしく忙しないが、目の中はみな輝いている。東急百貨店、桜ヶ丘、宮下公園、通るたびに進化している。時の流れがこの街だけ早回しされている錯覚に陥る。ただ、これも完成をむかえると、固定化されて動かない時がやってくるだろう。工事中のせいで行く手が途絶えた歩道橋を右側にターンしたとき、『だからこの瞬間が大事だし、大切にするんだよ』と渋谷の街からつぶやきが聞こえた気がする。
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宇宙に終わりはあるのか。この答えはまだ見つかってないそうだ。宇宙が永遠に膨張し続けると、地球から星や銀河が見えないところまで遠ざかって、夜空の星たちの煌めきがなくなってしまうという。最後には宇宙にあるエネルギーをすべて使い果たして、すべての活動が停止するのだ。なんて寂しい未来なんだ、そう思うとやりきれない気持ちにもなる。
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学生の頃、当時の先輩たちによく連れて行ってもらった店がある。その時の記憶でたしかあの辺にあったお店も、なぜか見当たらなくなってしまった。街の形がどんどん変わっていき、目印となる建物もない。
過去よりも未来に生きていこう。そんな歌詞みたいな物思いにふけながら、今日も街を歩く。もしかしたら、いま通りすがった真新しい建物が建てられる前に、あのお店が佇んでいたのかもしれない。そう思いながらも、いまはこの加速度的な街の進化を楽しみたい。パワフルでエネルギッシュなこの街の成長に目を細める。
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いつも常識は壊されるためにある。最近、宇宙は繰り返しビッグバンを繰り返しているという証拠が見つかったという。話自体は眉唾ではあるが、137億年というのもエンドレスループしてきた宇宙のたった1ループに過ぎないとしたら、10の500乗より大きくて、きっと宝くじよりちょっとだけ当たりにくい確率くらいで、今回の宇宙とまったく同じ条件のビッグバンが起こったとしたら、輪廻転生のごとく、137億年後のこの日に、私とあなたはきっといまこのブログを書いて見ているのかもしれない。あるいは、ギリギリかすめて見てくれなかったかもしれない。
運良く今回のループで見てくれたあなたにありがとう。もっと伝えたいことがあるので、また今度ブログでお会いしましょう。
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