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寝ている間に起きてしまう方に、鍼灸師の私が「筋トレ」をおすすめする理由

夜、寝ている間に起きてしまう方に、私の鍼灸院では、「筋トレ」をおすすめしています。

なぜ「筋トレ」なのか?少し詳しく説明させていただきますね。

お酒を飲んだ日に、起きてしまうことはありませんか?

お酒を飲んだ日、夜、起きてしまうことありますよね?でも、若い頃、夜に起きてしまうことって少なくありませんでしたか?

アルコールを摂取すると、飲んだ後すぐは眠くなる方が多いと思うのですが、その後、アルコールの代謝が進むと、逆に神経が覚醒してくるのですね。なので、深い眠りが続かず、目が覚めやすい状態になります。

お酒を飲まなくても、起きてしまうことはありませんか?

…でも、アルコールを摂取していなくても、夜中に起きやすい方はいませんか?

東洋医学では、からだを外からの刺激から守る、オーラのような気の膜である「衛気(えき)」というとものがあると考えています。

衛気の層が弱まっていると、小さな物音にも過剰に反応してしまう可能性があります。

気の量が少なくなっていたり、気はあるのだけれど、ストレスなどで、気が停滞してしまっていても、衛気の層は薄くなり、音や、家族の気配で起きやすい状態になってしまうかもしれません。

「衛気が弱まっている」ということの他に、今回一番書きたかった内容なのですが、

「糖分の代謝機能が低下していること」が、夜間に起きる要因になっていることを知っていただきたいのです。

糖分の代謝機能が低下すると、夜起きてしまう可能性がある!

お仕事をがんばり、お家に着く前、スイーツをコンビニで買ってきたり、甘いパンや、甘い飲みものを飲んだとします。

甘いものを食べる時間が遅くなることだってあるはず。ポテトチップスだって食べてしまっているかもしれない。

糖代謝が正常な方だと、甘いものを食べ始めて30分ほどすると血糖値は上がりはじめ、1時間後にピークになるんです。

ピークになった後に下降して、2時間ほどで、いつもの血糖値に落ち着きます。

が、糖代謝に異常が出ている方は、食べた後2から3時間後に、甘いものを食べすぎたことにより、大量に分泌されたインスリンが効きすぎ、血糖値が急下降することがあるんです。

血糖値が下がりすぎたため、アドレナリンや、コルチゾールが放出され、血糖値が再び上昇し、交感神経優位になる方がいらっしゃるのです。

10時に甘いものをたくさん食べて、お風呂に入ったり、ケータイをいじったりして、布団の中でゴロゴロしたとしますね。すると、1時や2時くらいに一度起きてしまう可能性がある。

夜間に動悸が起きやすい方、甘いものを摂りすぎていませんか?食後、スイーツを食べる習慣がありませんか?

甘いものを食べ過ぎると起こる、からだの変化

東洋医学の考え方では甘いものを摂りすぎると、胃腸(脾胃)が弱ってしまうと考えています。

甘いものの食べ過ぎや、仕事での疲れが慢性化すると、胃腸の機能が弱まり、糖質を含む栄養素を十分に「気」や「血」に変換できず、エネルギー不足に陥りやすくなります。

するとからだは、更にエネルギーを求めて、甘いものを過食してしまうという、負のスパイラルに入ります…

甘いものを食べ交感神経系が過度に働き、夜間でもリラックスできず目が覚めやすくなります。

東洋医学のことばを使えば、内湿がたまり、内熱がこもることによって、目覚めやすくなる感じ。

胃腸の働きが低下すると、からだの水分代謝も滞り、からだが重くなるので、休みの日はおうちでゴロゴロしがちになる…新しいことをやる気力がなくなり、休みの日は、日々の仕事の疲れを取るためだけに費やすことになる…思い当たること、ありませんか?

「胃腸」だけではなく、「肝」の働きも大切!

胃腸だけではなく、「肝」の働きも大切になってくるのですが、東洋医学的な肝は、アルコール分解という意味合いではなく、血を貯蔵していて、必要な場所に、必要なだけ血を供給するという「蔵血」という働きや、「解毒」の働きがあると考えています。

夜間は蔵血の働きにより、肝が血液を蓄えてからだを休ませる時間。

肝はストレスによって働きが弱まり、蔵血機能の低下を招きます。

蔵血機能がうまく働かないと、からだや脳への安定したエネルギー供給ができず、結果として中途覚醒を引き起こしやすくなってしまうのです。

…なんとなく、夜、起きてしまう原因がイメージできましたでしょうか?

夜間に起きてしまう人には「筋トレ」をおすすめします!

改善策として、私がお伝えさせていただいているのが、冒頭にも書いた「筋トレ」です。

筋肉は、東洋医学では「肝」の支配。

私の鍼灸の師匠はよく、「からだの中で、唯一鍛えることができるのは筋肉だ!筋肉を動かして、しっかり筋肉がついてくれば、深い部分に停滞している邪気を、浅い部分に浮かすことができる」と、癌や難病で来院されている方に伝えていて、自分のペースで散歩をすることを伝えていました。

筋肉を動かすことによって肝の働きも高まり、寝ている間に、疲れが取れやすいからだになります。

また、手足を動かすことによって胃腸の働きが高まり、胃腸の弱りも改善されるのです。

東洋医学で、胃腸は「石臼」に例えられていて、石臼の把手が「手足」なのですね。なので、手足を動かすと、胃腸の働きがよくなる!

筋トレをすると、「ミトコンドリア」が増える!

現代科学的には筋トレによって、「ミトコンドリア」が増すと考えられているんです。

ミトコンドリアは、糖や脂質を利用して「ATP」をつくる場所だと、学校で勉強したことがあるはず。

ミトコンドリアは、エネルギーを生み出す、「エネルギー工場」みたいなものでしょうか。

ミトコンドリアは、実は筋肉に多く存在しているので、筋肉を鍛えることによって、ミトコンドリアが増え、糖代謝機能も脂質代謝機能も上がるのです!

「筋トレをしても筋肉がつきにくい」と感じている、アイドル体系というか、線が細いタイプの方は、糖の影響を特に受けやすい印象が私にはあります。

ご自身の自覚はないのかもしれませんが、糖分の摂取によって、気分の乱高下がある方もいらっしゃいます。

ただでさえ、年々、からだを動かすことが少なくなり、デスクワークが中心の生活によって筋肉が減少し、糖代謝も下がってくるのですよね…

筋肉量の減少だけが夜間に起きてしまう原因ではないのですが、東洋医学的な観点から、私は夜起きるようになってきたら「筋トレ」をすることをおすすめしています!

私がおすすめする筋トレ!

「何の筋トレをした方がいいのか?」という質問にお答えすると、筋トレは、年齢や、過去の運動経験、体調によって、何をしたらいいのかがかわってします。

「筋トレ」に関して、動画サイトを見れば、無料の「○○分でできる。全身の筋トレ○○種」みたいな、動画を見ながら、一緒に筋トレをするようなプログラムが、たくさんたくさん見つかると思うのです。

まんべんなく、私がお伝えさせていただくのは(ただし、運動経験がある方に)全身の筋肉を鍛える場合、「7分間ワークアウト(7-Minute Workout)」という、科学的な研究に基づき設計された、特別な器具がなくてもできる体操がおすすめです。

「7分間ワークアウト」や「7分間体操」と検索すると、行いやすいケータイのアプリが出てくるはず!アプリで行うことを、私はおすすめしています。

ただ短時間に行う、高強度の運動なので、初心者や運動に慣れていない方は続けにくいし、自分のできるペースで続けていただきたいのです。

ミトコンドリアの機能を高めるには、高強度の筋トレの方がいいのですが、無理をすると、ストレスホルモンが出てしまうため、自分に合った方法論を選ぶことが大切です。

私は、個人的に、なかやまきんに君の「ザ・きんにくTV」を見ながら筋トレをすることが多いです。

運動が苦手だけれど、筋トレをはじめてみようと思う方、なかやまきんに君の「世界で一番楽な筋トレ&有酸素運動 全身10分」からはじめてみるといいかもしれません。

筋トレではないのですが、ご自身のからだを知ってもらうのに、私はスポーツ庁のサイトに載っている、室伏広治さんの「セルフチェック」動画と、個々のトレーニングの仕方を、お伝えすることがあります。ご自身のからだの、どこが動きにくくなっているのかをまずは知ることが大切です。参考にしてください。

首の不調や、肩こり、腰痛がある方、筋トレではないのですが、ヨガの「太陽礼拝」がおすすめです。

背骨の可動性をつけると、からだに活力がみなぎるはずです。私のおすすめは、ヨーコ・フジワラさんの、太陽礼拝レッスンです。1週間ほど、是非ってみてください。

筋肉がつくと、糖だけでなく、脂質代謝も上がる!

筋肉は安静時にもエネルギーを消費する組織なので、筋肉量が増えるほど基礎代謝がわずかに上がり、糖や脂質の消費量が増えます。

無理なトレーニングによって筋損傷が起きると、ストレスホルモン(コルチゾール)が慢性的に高まり、かえって血糖コントロールが乱れることもあるので注意は必要ですが、糖分を、夜間に多く摂りすぎないよう食生活を改善しながら、筋トレをすれば、夜間に起きることが少なくなってくるはずです。

飲み会に参加するなら、お酒の種類や、順番も大切!

お酒を飲む方は、最初に飲むお酒はビールや日本酒、梅酒、甘いカクテルなど、糖質が高いものでもいいのですが、徐々に「焼酎」や「ウイスキー」など、糖質を含まないものに切り替えていくのも、睡眠の質を落とさないためには大切かもしれません。

お酒を飲み終わったあと、シメで炭水化物やアイスなどのデザートを頼むのは、鍼灸師としてあまりおすすめできないかなぁと…美味しいですがね…

食べものや、飲みものって、特に夜は、睡眠の質を下げないように、工夫してとりいれる工夫が必要になってくると思います。

変化が出ない場合、専門家に早めにご相談ください

工夫してもうまく睡眠の質があがってこない場合、糖代謝機能に異常が出ている場合も多いので、早めに専門家に相談することをおすすめいたしたします。

睡眠の質を改善すると、からだの様々な症状が消えていくことが多いんです。

しっかり寝れるからだをつくっていくことが大切!睡眠の質を落とさないために、夜間に甘いものを摂りすぎないこと、筋肉を鍛えてミトコンドリアを増やすことも大切!

長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

必要な人の元へ届きますように。

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