創作エッセイ(60)小説創作のロケハン
小説を構想する上でのロケハンについて。
実は今、娘とある作品のプロットを考えていて、本日はその関係する場所のイメージ固めのためにロケハンをしてきたのだ。
ちなみに実際に作品を書くのは娘である。
現代の名古屋を舞台にしたミステリ作品である。動き回る登場人物たちが定期的に訪れる場所を数か所設定する。そこの定点観測的な描写で時間や季節の経過を描く。等のためにロケハンをするのだ。
この街、実は娘は5年ほど暮らしていて熟知した場所である。時刻や季節ごとの空気間や音や匂いまでわかっている。昨年、引っ越してここから離れたからこそ「書けそうだ」とのことで、娘との雑談のうちに湧いてきた作品。
実は、この娘との創作談議が、かつてやっていた「小説指南」というコーチング・サービスの原型になっていた。
書き手のアイデアや思い入れをヒアリングして、その物語に内在するテーマを指摘してあげる。本人もそれに気づくと「書くこと、書く方法」が見えてくるのだ。
本日は、一人で回ってきたのだが、仲間と一緒に行くのも面白い。ぼんやりと浮かんでいたものやことが、現地を歩くことで具体的な形を帯びるし、描写もできるようになる。体験は重要だ。
体験とは、情報と印象のインプットに他ならないのだ。結局、気づいたら地下鉄五駅分歩いていた。