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記録の音声入力とAI導入による効率化で保育の質向上を!

近年、AI技術の発展は目覚ましいものがあります。その中で、向山こども園がどのようにAIを活用しているのか、いくつかに分けてお伝えしていきたいと思います。今回は「記録の要約」に焦点を当ててお話します。


記録のICT化とAI活用

向山こども園では、数年前に手書きの記録からGoogleフォームを活用したICT化へとシフトしました。
これにより、記録がGoogleスプレッドシートに自動で集約されるようになり、記録の検索や並び替えが容易になりました。
これまでの紙ベースの記録では、振り返りや分析が困難でしたが、ICT化により効率的な情報整理と活用が可能となりました。


音声入力の導入とその利点

現在、記録の作成にはキーボードによる入力から、音声入力にシフトしました。これには2つの主な理由があります。

  1. 要約の正確性向上
    チャットGPTに要約を依頼する際、より多くのテキストデータを投げることで、AIによる要約の精度が向上することがわかりました。
    これにより、データ不足により保育者が訂正加筆するなど、多くの時間をかけて要約を作成する手間が削減されています。

  2. チームでの記録作成とコミュニケーション向上
    キーボード入力では、一人で作業する時間が増え、チーム内のコミュニケーションの時間がどうしても限定的なものになってしまっていました。
    しかし、音声入力を導入することで、記録を作成する話をチームの保育者が聞くことができるようになったため、記録の作成と、情報共有が一緒にすることができるようになりました。
    そのため、今まで行っていたカンファレンスの時間は、情報共有だけではなく保育の振り返りや今後の検討をする時間に充てることができるようになり、保育の質に関するディスカッションが深まりました。

AI要約によるフィードバックと保育者のやりがい

GoogleFoamにより収集された情報をもとにしたデータベースの情報の活用ですが、チャットGPTを使って記録を要約することで、保護者の方にわかりやすい形で子どもの成長記録を毎月提供しています。
これにより、保護者とのコミュニケーションがより円滑になりました。

また、AIによる記録作成は、保育者自身の振り返りにも役立っています。保育がどのように子どもに影響を与えているかを具体的な文章で確認できるため、保育へのやりがいも高まりつつあるのではないかと期待しています。

個人情報保護とセキュリティ対策

AI活用において、個人情報の管理は非常に重要です。
向山こども園では、APIを使用するなど、データが外部に漏れないよう万全のセキュリティ対策を講じています。また、学習データとして外部に利用されないようなシステム設計を行っています。

今後の展望

AIを活用することで、記録作成が効率化され、保育の振り返りや説明が容易になりましたが、保育者の役割は依然として重要です。
子どもの感情や関わり合いのプロセスを読み取るのは、AIにはできない人間ならではのスキルです。そのため、保育者が子どもと深く関わる時間を大切にしつつ、AIを使って質の高い保育を目指していきたいと考えています。

今後も、AIの技術をうまく取り入れながら、保育の質を高めるための試行錯誤を続けていく予定です。
次回は、AIがどのように具体的な保育の支援をしていくのか? また、東北大学との共同研究についても、いずれ詳しくご紹介したいと思っています。私もワクワクすることがたくさんありますので、ご期待ください!

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