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今の高校生って面白い!

ここ数年、毎年高校に行って、地域課題をプレゼンし、1年間かけて課題に取り組むという授業に参加させていただいています。
今回は、新しい園舎の完成を控え、高校生がイベントを企画するという課題を出してみました。
今日はその最終発表日。
彼らの自由な発想と情熱が詰まったプレゼンテーションに触れ、改めて若い世代の可能性を感じました。
今回は高校生のステキな話と、私が伝えたことについて書いてみようと思います。


高校生が取り組んだイベント企画

今回の授業では、高校生たちに「新しい園舎のホールを使ったイベントを企画する」という課題を出しました。
条件は、

  • 予算20万円以内

  • 1日で仕込みから撤収までを終わらせる

  • 対象者は自由

  • 人を集めること

  • 実現可能なもの

中間発表には参加できませんでしたが、最終発表で、彼らが数ヶ月間かけて練り上げたアイデアに驚かされました。
向山こども園の保護者にアンケートを取ったり、地域の人口動態を調べたり、近隣の小学生数十人にインタビューをするなど、本格的な調査に基づいた企画が多く見られました。

高校生ならではの多様なアイデア

発表された企画は、多様でユニークなものばかりでした。
例えば、超低コストで黒字化を目指すグループと、大規模な送迎サービスを導入して高価格帯のイベントを企画するグループがあり、それぞれの戦略の違いが興味深かったです。

また、昔遊びをテーマに高齢者と子どもが一緒に楽しめるイベント、地域の特性を活かして坂道を使ったウォークラリー、子どもたちの興味関心に基づいてお菓子の家をテーマにしたワークショップなど、多彩な提案が出されました。
向山こども園の保護者へのアンケート結果を反映した企画や、調査データを元にした具体的なプランは、高校生の取り組みの本気度を感じさせました。
2日間の調査だったのに、80人以上の保護者の方が協力していただいた時来ました。本当にご協力ありがとうございました!

イベント企画の難しさと経営的視点

どのグループも創意工夫を凝らしていましたが、予算管理の難しさや人件費の計算の甘さは共通する課題でした。
実際のイベント運営では、人件費が最も課題となり、次いで材料費、広報費など多くのコストが発生します。
今回は高校生の発想力を活かすために細かい経営指導は控えましたが、ビジネス的な視点でのアドバイスも少し行いました。

例えば、イベントの資金をどのように確保するかを考えたとき、多くのグループが「参加費」で賄おうとしていました。しかし、参加費を高くすると集客が難しくなり、低くすると運営費が不足するというジレンマが発生します。
そこで、企業からの協賛や地域の助成金を活用する方法、高校の予算を引き出す交渉術など、より実践的な資金調達の考え方を伝えました。
(まだ企業とのコラボレーションができていないので、私にとっても課題です)

また、「ボランティアの確保」も大きな課題でした。
イベントには運営スタッフが必要ですが、高校生がバイトを休んでまで手伝う動機をどう作るかを一緒に考えてみました。
単なる企画ではなく、実際に人を動かす力を身につける機会にもなったのではないかと思います。

社会で活かせる「ラテラルシンキング」

この授業では、ラテラルシンキング(水平思考)の重要性についても話しました。(ラテラルシンキングとは、固定観念にとらわれず、柔軟な発想で課題を解決する考え方です)

例えば、「どうやってイベントの収益を確保するか?」という課題に対し、「企業の協賛を募る」「地元メディアに取り上げてもらい、次回のイベントにつなげる」などのアイデアが出てきました。
単に参加費を上げるのではなく、「どうすればお金を出したくなる仕組みを作れるか?」を考えることが、実社会では重要です。

実際のビジネスでも、イベントの初回は赤字覚悟で実施し、認知度を上げて次回につなげる戦略がよく取られます。
今回の学生さんの案で言えば、地域を巻き込んだ「ウォークラリー」イベントなら、警察や行政を巻き込んでニュースに取り上げてもらうことで、次回のスポンサー獲得につなげられる可能性があります。

未来を担う高校生の可能性

今回の発表を通じて、私は高校生の柔軟な発想とプレゼン力に大きな期待を抱きました。
彼らが社会に出るころには、さらに新しい価値観や技術が求められる時代になるでしょう。その中で、自ら課題を見つけ、データを基に計画を立て、実行しようとする力は、どんな分野でも必要なスキルです。

もし本気でイベントを実施するなら、私は20万円以内なら出資するつもりです。
さらに、中高生が自らイベントを企画し、実際に運営する事業を立ち上げることも考えています。
今回は、私のような機会を通じて、彼らが社会に出る前に実践的な経験を積む場を提供できればと感じました。

こんな高校生が社会に出てくる未来は、とても楽しみです。
これからも、若い世代の挑戦を応援していきたいと思います。

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