見出し画像

遊びのなかで子どもが育つ! ~恐竜まてまて!→しっぽとりへ変化したヒミツ~

一般の方から見ると、こども園は「ただ遊ぶ場所」と捉えられがちで公園との違いがあいまいな部分が多いかもしれません。
ですが、実際には子どもの成長や社会性を育む重要な場でもあります。特に年少の子どもたちは、遊びを通して集団活動の楽しさや、他者との協力、ルールを守る大切さを学んでいきます。
今回は、その具体的な例として、こども園での「リトルオリンピック」前後の遊びの様子を紹介します。


リトルオリンピックと恐竜の遊び

低年齢のリトルオリンピックは、親子で一緒に楽しむ運動会ですが、単に競技を行う場ではなく、子どもたちがこれまで培ってきた遊びを保護者と共有し、さらに遊びの楽しさを広げる機会でもあります。
今年は「恐竜 まてまて!」という遊びが提案されました。これは、保育者が恐竜のお面としっぽをつけて、子どもたちと一緒に追いかけっこをする遊びです。

もともとは、夏祭りで保育者が恐竜のかぶりものをして楽しんでいた年中・年長の子どもたちに大人気のおにごっこでしたが、年少の子どもたちには少しリアルすぎて怖がる子もいました。


そこで、夏祭りの後、保育者は柔軟に遊びを変更し、恐竜のかぶり物をお面に変えることで、年少の子どもたちも楽しめるようにしました。

遊びの変化と子どもの成長

リトルオリンピックが終わった後、年少の子どもたちは「恐竜 まてまて」から「しっぽ取り」へと遊びを発展させていきました。
恐竜を追いかけるだけでなく、恐竜のしっぽを掴むことが子どもたちにとって新しい楽しみとなったため、保育者はこの興味に応じて「しっぽ取り」を提案して楽しんでいたのでした。

このように、遊びの内容をその場の子どもの反応に合わせて柔軟に変更することが、保育者の大切な役割です。

集団遊びの重要性と課題解決力の育成

鬼ごっこやケイドロなどに代表される集団遊びには、多くの発達的な効果があります。1人で遊ぶのではなく、異なる子どもたちと関わりながら遊ぶことで、交渉や協力の大切さを学ぶ機会が増えます。
特に集団遊びは、なりきりごっこ遊びと比較すると、「仲良しの友だち」だけではなく、大人数で遊ぶからこそ楽しい遊びです。
人数が多くなると、摩擦や意見の対立が生じることもありますが、これを通して子どもたちは問題解決力を養い、粘り強く物事に取り組む力(グリッド力)などを身につけます。

年少の時期から少しずつ経験し、いろいろな人と遊ぶのって楽しい!と感じることが大切です。
もちろん、最初からじゃんけんをしたり、役割分担ができるようになるあわけではありませんが、保育者が一緒に遊び、友達と楽しさを共有しながら、徐々にルールを学んでいきます。
年長くらいになると、自分たちでルールを決めて遊びを楽しむ力が育っていきます。

保育者の柔軟な対応と遊びの選定

年少の子どもたちは、まだ集団遊びの初期段階にあります。そのため、保育者が子どもたちの様子を観察し、何を楽しんでいるのか、どの遊びがその子どもたちに合っているのかを見極めながら遊びを選定することが重要です。遊びを柔軟に切り替えながら、まずは「楽しかった」という体験を提供することで、子どもたちが集団遊びを楽しみ、成長していける環境を整えています。

このように、保育者は遊びを通じて子どもたちの成長をサポートし、社会性や協働性を育んでいきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?