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シリーズ 保育者の成長~中堅が次につなげるための改善~

今日は、現場で日々成長を続ける保育者について考えてみたいと思います。
特に今回は、園の中で重要な役割を担いながらも、まだ成長途中にある中堅の男性保育者に焦点を当ててお話しします。
このシリーズでは、さまざまな職員の成長を段階的に見つめ、どのように成長していくのかを、私の試行錯誤も含めてお伝えしたいと思います。

重要な役割と大きな責任

この中堅の保育者は、年長クラスのリトルオリンピックの際、フロアマネージャーを任されました。このフロアマネージャーの役割は、配信チームと現場のフリーの保育者との連携を取ることでした。
しかし、彼は同時に大道具の準備も担当していたため、複数のタスクをこなす必要がありました。
結果的には指示が十分に行き届かず、フロアマネージャーの仕事はベテランの保育者が途中で交代することになりました。

もちろん、フロアマネージャーや大道具担当者が別々にいるのが理想ですが、働き方改革の影響もあり、全員が出勤できる状況ではありません。
また、学年ごとに行われるリトルオリンピックなので、そこまでイレギュラーなことが起こるわけではありません。
少数精鋭で全体を運営するため、マルチタスクをこなす力が必要です。今回はうまくいかなかった中堅保育者が、どのように自分で改善し、次の機会に向けて学ぶかが鍵となります。

自己反省のポイント

今回の出来事を振り返り、この中堅保育者は「大道具の準備に気を取られ、全体を見る余裕がなかった」と反省していました。この反省は一見、謙虚で前向きな姿勢に思えますが、実際には次の役割を任される可能性を低くするかもしれません。
それは、この反省が「自分の力を発揮できなかったのは、『与えられた役割に問題があったから』」という前提に立っているからです。この前提に無意識にでも立っている以上、次に挑戦のチャンスをもらうことはないかもしれません。

私やベテランの立場の人間は、何かのミスがあった時に、自分自身に問題があったと考える癖がついています。これまでの経験上、「他者を変えるのは極めて難しいもの」と感じています。そのため、自分が変ろうと考えるのが常なのです。
私自身も日々、職員や保育者を変えるのではなく、自分がどう変わるべきかを考えながら過ごしています。

私は今回の件を通して、「自分の何が悪かったのか?」を考えると
・人数が少なかった
・自分がもっと動けるようになればよかった
・最初からできる人にお願いしておく方が効率的だった
・打ち合わせの時間も、もう少し取っていれば良かった
ということを思いつきます。

しかし、現実的には、これ以上人を増やすことは難しく、打ち合わせの時間をさらに増やすのも、勤務時間の制約から現実的ではありません。こうした制約の中で、「経験が浅いフロアマネージャーにお願いした自分に問題があった」という結論に行きつきます。そして次回は「できなかった保育者に次回任せない」という解決策になってしまう可能性があるのです。

反省の仕方を変えるためのアドバイス

では、どのような反省の仕方が次のステップにつながるのでしょうか?
重要なのは、「自分に何ができたのか」という視点で考えることです。

例えば、新人保育者が集まりの中で喧嘩を止められなかった場合、その原因を「絵本に集中して気づかなかった」と反省するかもしれません。
しかし、ベテラン保育者の視点では、事前に絵本の内容を読み込んだり、子どもの座り方や落ち着き具合、時間帯の選び方など、より多くの事前準備ができたはずだと考えるものです。

この中堅保育者にも、私は「あと2、3年経てば、同じ状況でも余裕を持って全体を見ることができるはずだから、その成長した自分の視点から今を振り返ってみてはどうか」とアドバイスしました。
今は全力で頑張っていても、成長した未来の自分から見れば、「もっとこうすればよかった」と気づくことが増えるでしょう。

期待される成長

多くの失敗を経て成長するのは、どの保育者も同じです。
私自身も、たくさんの失敗を通じて学び、育てていただきました。この中堅保育者にも、同じように自分が変わりながら、さまざまな仕事をこなせるようになる過程を模索してほしいと思います。
たくさんのことを任されるのは、期待されている証です。
失敗も増えるかもしれませんが、その分大きな成長が期待できます。
応援しています!

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