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保育の中でハロウィンをやるかどうか?

今日、ハロウィンを楽しむ親子が、近くの商店会のお店で多く見られました。
そんなハロウィンを園で遊びとして取り入れるのか?ということについて、最近、ちょっと議論をしたので、今日はハロウィンについて考えをまとめてみたいと思います。


ハロウィンを楽しむ商店会

今日、私の住む地域では商店会が活気に満ちていました。
いつもは商店が点在していることや車通りの多い車道に面しているので、あまりお店を意識することのない地域ですが、今日は、多くの子どもたちと保護者が仮装を楽しみながらお菓子をもらい歩く姿が見られました。
商店の店先はオレンジと黒をテーマに装飾され、ハロウィンの雰囲気がたっぷり。
様々なキャラクターに扮した子どもたちとその付き添いの大人たちが、とても楽しそうにしている幸せな風景でした。

ハロウィンの歴史と文化的背景

ハロウィンの起源を調べると、もともとは古代ケルト人の収穫祭と、キリスト教の聖人を祝う行事が組み合わさったものだそうです。
ケルト文化では、亡くなった人々の霊がこの世に戻ってくると信じられており、それと一緒に悪霊もやって来るため、人々は火を焚いたり、人間だと気づかれないように、お化けに仮装をしたとされています。
こうした背景が、現代のハロウィンでの「仮装」や「お菓子をくれないといたずらするぞ」という習慣につながっているそうです。

日本におけるハロウィン文化の形成

日本でハロウィンが広まり始めたのは1970年代、原宿のおもちゃ屋や雑貨店がハロウィングッズを販売し、そのプロモーションの一環としてパレードを行ったのが始まりとされています。
そして、1997年にディズニーランドがハロウィンのパレードを導入したことで一気に人気が高まり、2000年代には渋谷での大規模なハロウィンイベントもメディアで取り上げられるようになりました。
今では全国的に、特に子どもが仮装をするという文化的背景から、保育や教育現場でもハロウィンを楽しむ機会が急速に増え、定着してきているように感じます。

保育現場でハロウィンを取り入れることへの考え

一方で、私はハロウィンの行事を保育の中で積極的に取り入れるべきか慎重に考えています。
日本でのハロウィンのイメージは非常にはっきりしていて、オレンジと黒、ジャック・オー・ランタン、魔女やコウモリなどのシルエットをかたどった黒い飾りが象徴的で、仮装も様々なキャラクターに基づく「コスプレ」の要素が多く見られます。

子どもたちの仮装には、悪霊やお化けというよりは、商業的なキャラクターが多く含まれており、服装や小道具のクオリティも求められる印象があります。購入したのだろうというものが数多くあり、ハロウィン商戦が過熱するのも無理はないなと思いました。
手作りのものも一部あるように見受けられますが、相当のクオリティーのものが手作りとして認められるように感じます。
結果として、友達の持つコスチュームと比べて「自分もあのキャラクターになりたい」と思う子が出てくるでしょう。

ハロウィンのコスプレが子どもたちに与える影響

保育現場でハロウィンを取り入れる際の最大の問題は、「正解がはっきりと定まっている」点です。
たとえば、商店会のパレードに、シーツに穴をあけたお化けや、段ボールで作ったぬりかべ、ビニール傘とガムテープで手作りしたから傘お化けは、参加できるだろうかと考えてみました。手作りの簡素な仮装では、商業的なキャラクター衣装に比べると満足感が少ないだろうとおもいます。
きっとうちの子は、絶対に嫌だというでしょう。
やっぱり、売っているコスプレグッズを買いたくなるでしょうし、作るにしても、キャラクターをどれだけ忠実に再現できたかを競いたくなると思います。

こうした「正解のはっきりした」行事は、子どもたちの想像力を引き出す機会が少なくなり、既存のイメージに合わせた参加を求められがちです。
保護者も参加する行事すればなおさら、購入するか、ハイクオリティーの手作りで衣装を用意することが求められ、コスプレにおける「努力」がドレスコードになるでしょう。
反対に子どもたちが自由に発想を広げる場が減る可能性があると想像しています。

地域行事と保育の行事の違い

地域の商店街で行われるハロウィンは、地域の活性化や家族の交流の場として重要ですし、私自身もそうした楽しみ方には賛成です。
うちの子どもたちももう少し大きくなったら、参加させていただくかもしれません。

しかし、保育の中で行事を取り入れる際には、それが教育に結びつくかどうかを慎重に判断する必要があります。
ハロウィン以外にも、季節や文化的な行事は多く存在しており、ただイベントを増やすのではなく、子どもたちの成長に寄与するものかを考えながら判断すべきだと考えています。

これからも、どのような行事が子どもたちの成長に最適なのか、さまざまな意見を取り入れながら慎重に判断していきたいと思います。

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