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夜9時から始まるお悩みトーーーク

先週の金曜の夜9時、子どもが寝静まった頃に、事前にいただいた子育ての質問に、私とベテラン保育者2人が自分の体験を交えて語るトーク番組「お悩みトーーーク」が始まりました。
これは、保育者が、ざっくばらんに子育てや保育の話をしながら共有できる新しい懇談会の形です。

今日はこの「お悩みトーク」について書いてみたいと思います。


懇談会から「ファミトーク」へ

コロナ禍までの懇談会は、こども園の様子を保護者に伝える場でした。
懇談会でしか流さない動画を見に、クラスの2/3の保護者の方が集まってくださっていました。
しかし、コロナ禍で対面での実施が難しくなったことをきっかけに、すべて動画配信に切り替えました。これにより、従来は学期に1回、編集の入っていない10数秒の動画を懇談会で見られるだけでしたが、現在は1~2週間に1回、保育の様子を解説付きの動画で見られるようになりました。
そのため、保護者がわざわざ時間を割いて懇談会に参加する必要性が薄れていきました。
そこで、クラスや学年ごとに、保護者の方が交流できる企画を作ったり、座談会を開いたり…と、試行錯誤をしました。しかし、どの会も「私には関係のない内容だった」「もっと話が聞きたい」「話を聞くのは動画でいいので交流したい」と、参加人数は減少し続けました。
ニーズが多様化してきており、学年やクラスのくくりで集まる必然性がほとんどないということがわかってきました。

そこで考えたのが、懇談会を「同じ悩みや興味のある保護者同士がつながれる場」にすること。
学年やクラスごとの枠を取り払い、保護者が「今必要だ」と思うテーマを選んで参加できる形にしました。
そうして生まれたのが「ファミトーーーク」です。
名前は、もちろん、みんな大好き『アメトーーーク』のパクリです。あんな風に日常や育児のことも、それぞれの趣味嗜好が同じメンバーが集まっておしゃべりできる場を目指しています。

ファミトーーークでは、今回行われた「お悩みトーーーク」以外にも、柿トーーーク(干し柿づくりをしながら子育てについておしゃべりをする会)や、年長・年中ごとの年長トーーークなど、さまざまな企画が行われています。
その中でも、最も人気が高いのが今回が第2回目の「お悩みトーーーク」です。

夜9時からオンラインでつながる「お悩みトーーーク」

お悩みトーーークは、あえて夜9時に開催されています。
これは、「子どもが寝た後のほうが、じっくり聞けるのでは?」という思いからです。
事前に寄せられた質問に、質問者の名前を伏せて私とベテラン保育者2人が答えるオンラインのトーク番組は、保護者の方は視聴するだけなので、気軽に参加できます。
もちろん、保育者にとっては遅い時間の開催はちょっと大変ですが、それ以上に「ビールを片手に、悩みを気軽にご夫婦で聞ける」を作ることを大切にしています。

今回は2回目の開催となりましたが、「兄弟関係」「好き嫌い」「寝起きの悪さ」など、さまざまな悩みが寄せられました。
参加者は匿名で質問できるため、気軽に質問ができる雰囲気があり、まだ園に在籍していない方らかの質問にも答えています。

お悩みに答えてくれるのは、2人の大ベテラン。
2人とも大学生の子どもを持つベテランの保育者で、子育てが一段落した今だからこそ話せるリアルな経験談を交えながら、悩みに寄り添ってくれます。
私は現役パパということで、私自身学びになる時間となっています。

「保育者も悩むんですね」

前回のトークで印象的だったのが、「先生たちも、うまくいかないことがあったんですね」という感想でした。

保育者は発達段階の知識があり、たくさんの子どもと接してきた経験があります。そのため、子育てもスムーズにこなしているように思われがちです。しかし、実際には保育と家庭での子育てはまったく別のものです。

私たち保育者は、『8時間の勤務時間中に、多くの健康な子どもが集まっている状況で、教育・保育を行う』ことの訓練を受けています。
そのため、様々な子どもがいることを想定して多くの知識や経験を持っているので、確かに一般の方よりは、子どもの発達などについて見通しは持っています。

しかし、24時間365日子どもと過ごすということは、保育者が経験するるものではないので、親になって初めて実感することもたくさんあります。
たとえば、風邪をひいたときのぐずり、夜になるとハイテンションになる子ども、寝ない子を寝かしつける大変さ…。
知識としては知っていても、実際に体験すると「こんなに大変なのか!」と思うことばかりで、私自身悩みが付きません。
日中の一番エネルギーと集中力のある時間帯、プロとして人様のお子さんをお預かりするときには、感情的になったりすることは少なく、感情をコントロールしながら子どもに接することができます。
しかし、寝起きや疲れ切った後に帰ってきた家で起こることは、幸せを感じることもありますが、大変だと思うことも、「言わなきゃよかった…」と反省することも、「じゃ~どうしたらいいのよ?」と投げやりになることもたくさんあります。

「うちもそうだった!」が生む安心感

お悩みトーーークには、参加者同士が「うちも同じ!」と共感し合う瞬間がたくさんあってほしいなと思います。

今回も、寝起きの話になると、「うちの子は全然起きなくて、一瞬起きてもすぐに寝ちゃって大変だった!」「大きくなるとすぐ寝ちゃって、起こすのが大変!」と私たち3人の睡眠にまつわる話に花が咲きました。
私も「うちも夜の住宅街をおんぶして歩いていた」という今では思い出話をさせていただきました。
このお悩みトーークでは、解決できればもちろんいいのですが、「みんな悩みながら育児しているって同じなんだ」とほっとする時間になればいいなと思っています。

育児は、楽しいこともあるけれど、大変なことのほうが多い時期もあります。そんなとき、同じ悩みを共有し、「私だけじゃないんだ」と感じていただき、心が軽くなるひと時を作れたらなと思っています。

ちなみに、私の最近の悩み

ちなみに、最近の私の悩みは、下の子の「こだわりの強さ」です。

寝るときに、以前使っていたおんぶひもを引っ張り出し、それをきれいに敷き詰め、さらに木のおもちゃや飛行機のおもちゃを並べ、それらに布団をかけてからでないと寝ないという、謎の儀式があるのです。

本人の「キレイに敷く」をクリアしないと駄目なようで…
このぼこぼこの上に寝るっていたくないんですかね?

しかも、私がやるのはダメで、お母さんがやらないといけないというこだわりまで…。少しでも気に入らないと怒って泣き出すし…。毎晩、親はうんざりしています。
今日は私がやることに同意してくれたので、丁寧に並べさせていただきました(苦笑)

こんなふうに、子育てには予測不能な「マイルール」がたくさん登場します。でも、先輩保育者たちに話を聞くと、「小さい頃はあっという間に過ぎていくよ」「大変だったことほど、いい思い出になるよ」と教えられるので、それを信じて、今は付き合うようにしています(笑)

この満足げな顔。子どもって反則ですよね

未来を楽しみに、今を大切に

育児の悩みは尽きませんが、「今は大変でも、いつか思い出になる」「みんなもそれぞれ大変」と思うことで、少し気持ちが楽になることもあります。

お悩みトーーークは、そんな悩みを分かち合いながら、大人も一緒に成長していける場になれたらと思っています。参加者が気軽に質問を送れることで、「一人じゃないんだ」と思えるのが、何よりの魅力かもしれません。

このノートでも、育児の悩みやエピソードをシェアしていきますので、ぜひ皆さんの経験も共有していただければと思います。
一緒に、育児の悩みを乗り越えていきましょう!

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