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向山こども園の自然遊び~保育者の工夫が育む発見と成長~

向山こども園は、自然豊かな環境があり、子どもたちは日々その自然と触れ合いながら過ごしています。
今日は、このこども園での自然との関わりについてお話しします。


豊かな自然環境とその工夫

向山こども園は約2万m²の広大な敷地を持ち、その中にはさまざまな自然の要素が取り入れられています。
子どもたちが生活する園舎は全棟平屋となっており、その園舎の周りには、地形がシーズンごとに変化する園庭や、。草原や虫たちが集る場所、そして「オランウータンの森」と呼ばれる雑木林など、多様な地形や環境が広がっています。この自然環境は、子どもたちの遊びを支える重要な要素となっています。

特に「オランウータンの森」は、3年前に大きな改修が行われ、宮城教育大学の溝田先生の協力を得て、生き物が集まる森作りが進められました。
この森の改修には約600万円が投じられ、そろそろ寿命を迎えようとしている常緑樹の伐採と新たな植樹が行われました。
従来の森はスギなどが多く、すぎっぱは暖炉で燃やす焚き付けとしては最高なのですが、腐葉土になるような落葉が少ないために土壌が豊かになりにくく、虫も集まりづらい環境でした。
植樹や切った枝をチップにして撒く等の改修後は、より多様な生態系が生まれつつあります。

自然環境の教育的効果と危機

森を維持するには、多くの手間と費用がかかります。しかし、それだけの価値がある場所だと感じています。子どもたちが自然の中で遊び、学び、発見し、疑問を持ち探究することができるこの環境は、教育的な効果が非常に高いのです。

しかし、自然環境を活かすためには、その使い方も大切です。
ある時期、森に少し困った状況が生じました。
「危機」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、森にサッカーゴールを設置し、サッカー場のようにしたり、ラインカーで線を引いて走ることを楽しむ活動が増えたのです。
それ自体は悪いことではありませんが、平らな地面を整えたり、応援席を作ったりする必要があるこの遊びは、森よりも園庭のほうが適しています。
そこで、保育者同士で、森の豊かな自然をもっと活かした遊びをどう展開できるか話し合ったことがありました。

森での遊びの可能性

森というのは、一見何もないように思えるかもしれませんが、見方を変えると非常に豊かな遊びの場となります。
ただし、子どもたちがその豊かさを感じ取るためには、保育者のサポートや適切な知識が必要です。例えば、どの葉っぱがどのような特徴を持つのか、虫がどこにいるのかなどを知らなければ、森での遊びは難しく感じられるかもしれません。

リトルオリンピックからの新しい遊び

2学期に入ってすぐ行われた親子で楽しむ「低年齢のリトルオリンピック」で、年少さんは集団遊びの楽しさに触れました。
その経験を通じて、ルールのある遊びや集団での遊びが子どもたちの中で面白いものとなり、年少ホールでは折り紙や色鬼などを楽しむ姿が見られました。ホールにはもともとあまり色のついたものがなかったため、子どもと一緒に折り紙や画用紙を壁に貼って遊んでいました。
色鬼のルールが定着していくと、子どもたちは友達や保育者の服や靴の色にも目を向け、タッチして遊ぶように変化していきました。

森での「色鬼」の展開

このような遊びの発展を見て、年少の保育者は森でも色鬼を展開しようと考えています。
秋の森は、紅葉した葉やさまざまな植物の花が咲き乱れる彩り豊かな場所です。保育者は、この自然を利用して、色鬼を通じて子どもたちが自然に触れ、様々な発見のきっかけを得られるような遊びを展開したいと考えているようです。

自然と遊びの工夫

自然に触れることは、ただそこにいるだけでも自然と接することができますが、少しの工夫や遊びの仕掛けによって、子どもたちがさらに自然に近づき、興味を持つことができます。

向山こども園では、こうした小さな工夫を積み重ねることで、子どもたちが自然と深く関わり、自ら発見し、学びの種を見つけていける保育を大切にしています。


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