時に台本を書き上げて集中稽古の人々。
9月になっても暑さは変わらず。駅から劇場地下にある稽古場まで歩いて行く道のりがキツイ。身体の重さ、特に下半身の怠さが深刻化して(今回の台本作業から稽古までの期間で最も悩まされたのがこの身体の重さだ)稽古が始まる前から疲れている。
どうやら私の身体は終生大事に疲労を抱きしめて離さないと決めたのか、とにかく寝ても覚めても疲れが取れない。ヘロヘロだ。
先週、トイレで用を足している時にフト、自分の腕の細さに気が付く。あれ?こんなに細かったかな?と驚き、体重計に乗ってみると7キロも体重が減っていた。
そんなこんなで集中稽古である。その名の通り集中して稽古をしていこうの時間だ。そうなると大幅に稽古時間が長くなる。長くなった稽古が生活に食い込んでくるので明日からしばらく私は8時~22時ずっと活動しなくてはならない。最後の山場だ。
このnoteを書いている今日が唯一の休みだ。これから私は実家に帰る。でも夜には戻ってくる。父の具合がよろしくないのでそれを見舞う。
2月に具合が悪くなって2回手術を受けたがそこまでの回復はしなかった。電話すると元気だが、会うたびに痩せていった。ちょうど私が痩せていった時期と符号があう。これも親子の成せる業なのかもしれない。
前から私が欲しがっていた本をあげるよ、そう父から連絡が来たのは4月の頃だった。大長編ドラえもん全巻、石黒賢のゲッターロボサーガ全巻、金田一少年の事件簿2期までの全巻、横溝正史のいくつかのシリーズと江戸川乱歩のいくつかのシリーズ、サイボーグ009全巻、幽遊白書全巻、これらを貰う事にした。デビルマン全巻は数年前にこっそり実家から拝借した。火の鳥もこっそり拝借した。ドカベンは大甲子園を欲しかったがそれはダメだと言われた。
実家の一室に老後の楽しみと父が長年買っていたプラモデルが積まれていた。あれもちょうだいよと言ったら父は少し笑って言った。「死んだらね」
多分、1つも箱から出されずに私の手に渡るだろう。私はその時、どんな心持で1つ1つのパーツをゲート処理するのだろうか。いや、何万か払ってプラモ得意な友人に代わりに組み立ててもらうのかもしれない。
今回の排気口新作公演『時に想像しあった人たち』にも父と娘が出てくる。でもそれは偶然だ。私と父のアレコレが台本に反映されている訳ではない。少なくとも有意識の中では。プライベートを台本に持ち込まないタイプなのだ。私は。
それでも無意識にはあるのかもしれない。そんな事を稽古を見ながらフト考える。
別に今回の新作公演は湿っぽい訳ではない。いつも通りくだらない。前半は特にくだらない。くだらなすぎて意味が分からない所もある。いつも通り苦笑で見守って頂ければ幸いです。
いつの公演も1人でも多くの方に観て欲しい。これを今、読んでいる貴方はもう予約してくれた?貴方が振り向かなかった方の風景が今回の排気口新作公演『時に想像しあった人たち』だよ。全ての穏やかさを出来る限り封じ込めたつもりなんだ。
お風呂に入ってる時に、シャンプーとリンスを何回も間違えて、リンスの後にリンスして、またリンスして、もう今日はリンスだけでいいや寝よう。と思える夜のシャンプーが排気口だ。三鷹で会おう。観に行った時と観に行った後で髪のツヤが増している筈さ。
それまで貴方が無理せず、ゆっくりと、日々の生活を送れている事を願って。
予約はこちらから。
もう違う台本作業をしている。この作品はもうすぐ私の手を離れる。1度も握り直さずに。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?