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俳句「凡句でも慰めに・・・」

冬晴や老母健啖脈もよし

 5年前に徐脈で入院して死の直前までいき、その半年後と1年後もまた徐脈で入院したので、私がもっとも心配していたのは母の脈が乱れることだった。そのせいか、ノートを読み直すと、母の脈を詠んだ句がずいぶんある。
この句は2年前の冬の句だが、食欲もあって脈も落ち着いていて、そのうえ冬晴れで言うことなし、という調子のみで詠んだ句である。
 笑ってくれること、よく食べてくれること、よく眠ってくれること、そして体調のよいこと。私が介護をしていてうれしかったことはこの四つに尽きるが、亡くなると何か心残りばかりを思い出してしまう。
 俳句・短歌ノートを見直してこんな句や歌を見つけると、すこしだけ慰められる。

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